君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第89章 89
「それでは早速呼んじゃいましょう!ちゃんです!」
TRIGGER三人のトークの後、龍之介が紹介すると共にの元へ向かい手を差し出す。
やっぱやるんだ。
とが微笑みながらその手を取ればそっとセットに引き上げられた。
その様子はまるで映画のワンシーンのようで、周りから感嘆のため息が漏れる。
「こんばんはー!です!TRIGGERの番組に出られて今すぐ失神できそうです!」
TRIGGER狂い女優の本領発揮である。
「今日、歌手デビューを果たしたわけだけど、どう?気分は」
「そうですね、元々歌って踊れる女優を目指していたので、歌手デビューも夢の一つでした。だから本当に嬉しいんですけど、思った以上に早く実現して驚いてもいます」
「しかも今回振付担当したの龍なんだろ?」
楽の問いに、と龍之介は二人で頷く。
「そう、ちゃんのいい所全部引き出せるように頑張ったつもりだよ」
「この振り付け、めちゃくちゃカッコいいんです!私、十さんのダンスにすごく憧れてて、こんな風に踊りたいってずっと目標だったんです。だから、今回の振付を通して、十さんのダンスに一歩近づけたかなー、と思うと嬉しくて、踊ってる最中に泣くかもしれません」
「君は僕たちと共演するとすぐ泣くね?」
「そんなことは……そうかも…」
呟くに、スタジオ内に笑いが起こる。
「今日は俺も一緒に踊るから、泣いちゃう?」
「泣いちゃう」
「じゃあ、早速泣いてもらおうかな」
天の紹介には笑い、その笑顔に久々にスタッフ始め皆固まる。
一瞬惚けた後我に返った天が、曲はCM明けに披露すると紹介し、CMへと予定通り入ることが出来た。
「さん!十さん!スタンバイお願いします!」
「はい!」
「、行こう」
「うん」
先程の緊張とは打って変わってうきうきとした表情で龍之介の隣に立つ。
龍之介のエスコートでセットに上がれば、リハと同じように向かい合わせに立つ。
「大丈夫?」
「うん、楽しい」
「ならよかった」
「一番近くで龍くんが見ててくれるの、本当に嬉しい」
「CM明けます!三秒前!」
スタッフのカウントダウンに深呼吸し、CMが明けると共に曲が流れだす。