君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第87章 87
「うん、なのになんで俺、帰りの時間聞いちゃったんだろうね…寂しかったとはいえ…。うん、後30分は寝かせてあげられるかな」
呟きながら慣れた仕草でを足に乗せたまま寝やすい体勢へと変える。
「疲れないんですか、それ」
「軽いから、よくこのまま寝ちゃうし、結構慣れたかも」
惚気まくりである。
普段の二人の愛の巣での様子がよぉく分る。
「あよー…うお!?龍兄貴にっち…どしたん?」
「色々あったんですよ」
「ふうん…っち、学校行けんの?」
「今日も仕事だとさ」
「やっべーじゃん。っち、学校全然来てねぇぞ」
「この忙しいのもゼロアリーナのこけら落としまでだから…、あ、そっか。こけら落とし終わったらちょっとは休めるかな」
スケジュールを眺めていれば、胸元で小さく唸る声。
まだ眠ってていいよ、と軽く背中をぽふぽふと叩けばまたすやすやと規則正しい寝息が聞こえてくる。
「おはよー。あれ、十さん!おはようございます!」
「ちょ、陸静かに!」
「え?!」
「さんが寝てます」
「へ?!あ、ホントだ…」
陸が改めて龍之介を見ると、幸せそうに眠るの姿。
「もうすぐCDデビューだし、オーディションもあるし、疲れてるよね、ちゃん」
「あ、映画のだよね。受かるかわからないとは言ってたけど…」
「ん…龍くん…」
「起こしちゃった?」
「ううん…起きた…」
呟くなり、龍之介の首に腕を回し口付ける、
「ん、おはよ」
「もっかい、ちゅーして」
「いいけど、みんないるよ?」
「みんな?………みんな?!!」
ガバッと顔を上げて周りを見回し、ようやくここが小鳥遊寮だと気付いた。
盛大に寝ぼけていた模様。
「ちょ、え、どこ?!何時?!なんで?!」
やだぁぁあ!!と真っ赤になりながら龍之介の胸に顔を隠す。
「寝ぼけたかー」
「熟睡できたのかな」
苦笑しながらを眺める一同。
龍之介はの頭を撫で、支度を促した。
「、俺も準備に一旦マンション帰るから」
「ごめん、私のせいでギリギリだね」