君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第87章 87
「さ、ワガママ言ってみて」
泣き止んだを愛しげに見つめ小首を傾げる龍之介。
そんな龍之介の頬を撫で、は小さく頷いた。
「もっと…一緒に、居たい」
「うん」
「お休みが欲しい。龍くんとずっと一緒が良い」
「うん。年明けたら遅めの冬休みあるから、約束してた旅行行こうね」
こくりと頷くその仕草が何とも愛らしい。
「クリスマス…」
「クリスマスも、夜だけは休めるから」
「ご飯一緒に食べたい」
「最近あんまり一緒に食べれてないもんね。それはごめん」
そっと髪を撫で、頬に指を滑らせる。
小さな顔が、じっと見上げてくる。
「寝顔じゃなくて、ちゃんとお休みって言いたい」
「俺が先寝てたら起こして良いよ。の顔見られるならいくらでも起きるから」
「おい、イチャコラバカップル。そろそろ陸と環起きてくるから離れろ」
ソファの上に龍之介が胡坐をかいて座り、その足にすっぽり収まり龍之介の首に腕を回して座る。
言葉を交わす度に唇まで交わす二人の周りは、甘い空気しか漂ってない。
さっきの喧嘩どこ行ったマジで。
そんな声が聞こえて来そうである。
「十さん、、朝飯は?」
「、仕事何時からなんだ?」
「もうすぐ…」
時計を見て出発時間が迫っていることに気付いた。
離れろと言われたそばから龍之介に抱き着く。
朝食を食べる時間はなさそうだと三月に伝え、を見て微笑む。
「赤ちゃんか」
「赤ちゃんより可愛いよ」
大和のツッコミにくすくす笑いながらの背中を撫で、龍之介は抱き締める。
「甘やかしてますねぇ」
「世界一可愛い子だからね」
にこりと微笑み、龍之介はの頭を撫でる。
いやに静かだな、と思って顔を覗き込めば、すやすやと心地よさそうに眠るの姿。
どうやら昨夜のことがあってあまり眠っていないらしい。
「、何時から仕事だっけ…」
呟きながらスマホをそっと取り出しスケジュールを開く。
「八時出発か…」
「のスケジュールも入れてんですか?」