君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第78章 78
「俺はもう少しと一緒に居たい。いい?」
「もちろん」
楽の問いに龍之介がを見て首を傾げれば、幸せそうな笑みが返ってくる。
ならば、と天と楽を部屋に入るまで見送り、人影がないことを確認してからと龍之介はの部屋へと入る。
「あ、そういえば、ご家族に俺の家に住んでること言わなくてよかった?」
座椅子に座る龍之介の隣に座り、お茶を入れ始める。
の部屋もTRIGGERの部屋と似た造りだ。違うのは広さくらいだろうか?
「お姉様のあの態度見たでしょ?両親とも同じような感じだろうし、しばらくいいかな。どちらにせよ郵便物は事務所に届くし、問題なし」
の言葉に、龍之介は微笑むも眉をしかめる。
「両親もって…お母さんはともかくお父さんも?」
「ん?うん」
という事は、は家族から悲しい扱いをされてきていたという事になる。
「、俺、がそんな悲しい思いしてたの許せないよ」
「うん、でもさ、その分他のスタッフさんたちと仲良くなれたし、お客さんとも気さくに話せたんだ。だから別に不幸ってわけじゃなかったよ」
「でも、家族だよ」
龍之介の言葉に、は小さく頷き苦笑する。
「そうだね。私も、血は繋がってなくても家族になりたかった。家族が欲しかったな…。ここまで衣食住与えてもらって、育ててくれて本当にありがたいし感謝してるけど…確かに、親からの愛って奴を、知りたかったな」
お茶を注ぎながら呟くの頬をそっと撫でる。
そんな寂しげな瞳を、にして欲しくない。
は、この子は愛されるべき存在なのだから。
だから俺は、今までもこれからも、彼女を愛することに躊躇しない。
「?」
「俺、絶対の事幸せにする」
「もう充分幸せだよ」
「もっとずっと、息が出来ないくらい幸せにする」
龍之介の突然の決意表明に軽く首を傾げるも、何か思う所があったのだろうと頷く。
微笑み龍之介に抱き着いた。