君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第8章 8
のその演技力は、龍之介をも引き込んだようで、カットがかかった瞬間、龍之介は一瞬惚けてしまった。
スタッフを魅入らせ、龍之介を引き込んだに、万理はこっそりガッツポーズ。
化けた。
そう思った。
「最っ高!!いいよそれ!!」
「良かった…十さんのおかげですね」
「え?いや、俺はさんの提案通りに動いただけだよ」
「十さんなら、途中で止まらずに、絶対分かってくれるって思ってたんです」
にこりと微笑むに、龍之介もそっか、と嬉しそうに微笑む。
「良いコンビになりそうだね、二人とも」
「「ありがとうございます!」」
「息もぴったりだ!」
満足げに笑う監督に、龍之介とも顔を見合わせ、良かったねーと微笑む。
CMは監督の満足の行くものが撮れたようで、いったん休憩を取ることとなり、は次の着替えまでに身軽な服へと着替えた。
「、お疲れ様」
「お疲れ様です、万理さん。ありがとうございます」
お茶の入ったコップを渡され、万理を見上げる。
「現場の雰囲気もいいし、の実力も充分以上発揮できそうだね」
「はい、未熟な私にも皆さん丁寧に色々優しく教えてくれますし、最後まで走り抜けられそうです。でも、やっぱりまだ緊張はしますね。ちょっと裏で体動かしてこようかなぁ…」
の発散方法はダンスや歌。
広い場所が確保できるならば、暇さえあれば踊っているような子である。
基本的に体を動かすことは好きらしい。
「まだ時間はあるし、軽くなら良いんじゃない?」
「ん、じゃあ…ちょっと行ってきます!」
「俺は次の打ち合わせしてるね」
万理に軽く手を振り、はスタジオの裏へと出る。
危ない機材などがないこと、邪魔にならないであろうことを確認し、スマホで音楽をかけイヤホンを耳にはめ込む。
「1、2、3、4」
カウントを取りながらステップを踏む。
音楽に乗って体を動かす気持ちよさは、IDOLiSH7のメンバーから教わり、体を使って感情を表現する心地よさは、龍之介のダンスから教わった。