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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第74章 74




「晩飯の時間と被るな」
「バーも良いですけど、うちはソムリエもいますからワインもお勧めですよ。お食事にピッタリなワイン選んでくれると思います」
「お、それもいいな。楽しみにしてる」
「はい!あ、勿論バーもお勧めなので、大人二人は是非」

にこりと微笑みが龍之介を楽を見上げれば、見上げられた大人二人は思わず破顔し、の頭を撫で繰り回す。

「あー、かっわいいなお前は!」
「ちょ、楽!は俺が可愛がるんだってば!」
「じゃあ僕も可愛がっとこ」
「天まで!?」
「あはは!もー、髪ぐしゃぐしゃーっ」

ケラケラと笑いながら乱れた髪を撫でつける。
そんなにハッとして三人の手が止まる。

「あ、ごめん!セット直すの大変だよね」
「大丈夫。もうほどく気満々。久々できつく結い上げすぎて禿げそうだからもう、無理」

苦笑しながらそれでも乱れた部分は手櫛で直し、は三人を見上げる。

「ちょっと着替えて来ます」
「ん、行ってらっしゃい。客室が控室?」
「ううん、控室は別。部屋は竹の間。二つとなりだから…ね?」

耳元で小さく囁かれ、龍之介は微笑みの頬を撫でる。

「行けると思う?」
「んー…来て?」

そんな事言われたらいかない選択肢はない。
絶対行く、と頷き龍之介はの頭を撫でた。

「抱きしめたい」
「お姉様が怖いから我慢して?」

くすくす笑いながら龍之介の服を軽く摘まみつつ、楽と天を見る。

「まだ時間あったら、ちょっとお散歩しませんか?お庭も広いんですよ」
「他のお客さんの邪魔にならない?」
「日帰り客もVIPも、全てのお客様に最高のもてなしを、が旅館のモットーなので、大丈夫」

にこりと微笑むになるほどと頷き、着替えに向かうを見送る。
その視界の端に同じようにを見送る姉の姿が映った。

「若女将、ですよね」
「はい。妹がお世話になっております。あの、十さんはあの子と…」
「…いえ。仲は良いですけど、ご家族の方が心配されるような関係ではないですよ」
「そう、ですか…。あ、申し訳ありません。他の仕事がありますので失礼致します」

一礼し、去って行く姉を見送り、天と楽は龍之介を見る。

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