君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第73章 73
「さん、TRIGGERの皆さん、よろしいですか?」
「はい!撮り直しですか?」
「ううん。すごく良い画が撮れていたから、このまま使っていいかな?と思って」
「そんな良かったですか?」
良いに決まっている。
今、と龍之介は本人たちは交際を認めていないが、世間の認めるカップルになりつつある。
そんな二人の画は取れ高が高いし話題を呼びやすい。
そんな二人が勝手にいちゃついて、更にはドラマチックな場面を見せてくれたのだ。
撮り直す必要などどこにあるのか。
「事務所のOKが出るなら僕たちは構いませんよ」
「私も事務所OKが出るなら問題ないです」
「早速聞いてみるね!」
プロデューサーが去ってから、は小さく息をつく。
そんなの様子に龍之介はそっとの背を撫でた。
居心地の悪さを未だに感じているのかという懸念が沸いたからだ。
「そういえば、今日はドラマの撮影じゃなかったの?」
「ドッキリの為の架空スケジュール、です。ごめんね、龍くん」
「怒ってないよ。むしろ、と一緒にいる時間増えて嬉しい」
「龍くん…」
「…お前ら、俺らがいるから怪しまれにくいだけだからな」
「二人きりになってからいちゃついてくれない?」
四人で輪になって話しているはずなのだが、完全に二人の世界であった。
天と楽に突っ込まれ、と龍之介は二人揃って苦笑である。
「取り敢えずお部屋に案内するので、女将の代わりにさん、お願いします。お部屋の位置ですが…」
「あ、はい!これでもデビュー前は手伝いしてましたから、部屋の名前教えて頂けたら案内出来ますよ。カメラさんやスタッフさんが動きやすい動線考えながら向かいますね」
「本当に助かります!お願いします!」
嬉しそうなスタッフの言葉に微笑み伝えれば、部屋の名前を教えてもらい、は三人の荷物を持ち上げ、ご案内します。と微笑む。
こういったスタッフへの気遣いも欠かさないことから、は業界内でも評判が上がっているらしい。
「、荷物…」
「これも仕事のうちだよ。TRIGGER三人の旅行カバン見れるとかファンも嬉しいでしょうし…」