君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第71章 71
心配性だなぁ、などと思いながらはくすくす笑い頷く。
味噌汁は多めに作ってよかったー、と呟きながら鍋をかき混ぜるの後ろから、龍之介が抱き着いた。
「いい匂い」
「親子丼だよー。味噌汁には島豆腐入れてみた!」
「売ってた?」
「うん。これは!と思って買っちゃった」
「なんか嬉しい。ありがとう」
「えへへ、どういたしまして」
後ろから頭に口付けられ、は微笑みながら支度を整えていく。
「大型犬にまとわりつかれてる飼い主みたい」
「だな。手慣れたもんだな」
と龍之介をリビングから眺める天と楽。
この短期間で二人のいちゃつきっぷりには慣れたものだが、それにしても羨ましげである。
「もう少しでできまーす。あ!ごめんなさい。机片しますね」
「ありがとう。、この付箋は?」
が課題のノートやらプリントを片付け始めれば、天が付箋を指さし首を傾げる。
それには苦笑しノートを広げる。
「理解不能の部分を後で龍くんか先生に聞こうかと思って…」
「そうなんだ。代わりに僕が教えてあげる」
「え?え!?いや、大丈夫だよ」
「ごはんのお礼。見せて」
ノートを引き寄せ眺める天に、は緊張からの冷や汗が止まらない。
「よく出来てるじゃない。この問題も、ここの応用って気づいたらすぐ分かったんじゃない?」
「ん?あ、ホントだ…習った覚えないって思いこんじゃったからかな…ありがとう、天!」
「どういたしまして」
にっこりと微笑むに一度頷き、天は視線を逸らす。
やはりその笑顔は魔性。
愛らしさの塊である。
「、そろそろいいと思う?」
「うん、あとネギ入れたい」
キッチンからの声には立ち上がり小走りでキッチンへ。
冷蔵庫からネギを出して刻み始める。
「課題終わった?」
「ほぼ終わったよ。次登校したら全部提出できるかも。と言っても来週は仕事だから再来週だけど」
くすくす笑いながら味噌汁を完成させ、器に盛っていく。
「出来ましたー!お口に合うといいんですけど…」
トレーに親子丼と味噌汁を乗せ、テーブルへ運ぶ。
そこには既に蕎麦のセッティングが完了していた。