君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第71章 71
龍之介と共にリビングに戻れば、ちょこんとソファに座る天と楽。
そんな様子に思わず口元を押さえ静かに悶える。
大の男がちょこんとしている様は愛らしさ満点らしい。
「突然邪魔して悪いな」
「龍がラビチャ入れた筈だけど、既読付かなかったもんね」
「え?!あ、ごめん…課題集中しててスマホなったの気付かなかった」
「だと思ってたから大丈夫。お茶入れよっか」
微笑みながらぽふりと頭を撫でられ、は嬉しそうに頷き二人でキッチンへ。
「が昨日引っ越して来たって言ったら、引っ越し祝いにご飯でもってなったんだ。その時点で連絡入れてたら気付いてたよね、ごめんね」
「ううん。放送前は忙しいもん、仕方ないよ。私こそ気付かなくてごめんね。でもそれなら丁度良かった」
「ん?」
「帰りにプリン買って来たんだ。ちょうど四つあるから、みんなで食べ……楽さん、天、晩ご飯食べてないですよね?」
先程の龍之介の言葉通りなら、二人とも夕飯など取らずにやってきているはずである。
龍之介が自宅で食べると言ったのだから、食べているはずがない。
「、準備してくれてたよね」
「うん。でも四人だと足りないかも」
一応女優として体型には気を遣うようで、は夜は炭水化物をとらない。
その割にデザートは食べているから真面目にダイエットをしているわけではなさそうだが。
余ったご飯は冷凍していこうと思っているから少し多めに炊いてはいるが、それでも男三人の胃袋は満たしきれないだろう。
「だろうと思って蕎麦買って来た。急遽決まっちまったから、お前の負担増やすのもなって龍が言うからよ」
「蕎麦…ありがとう、龍くん」
「引っ越したし、引っ越し蕎麦代わりにね」
「ありがとうございます!じゃあ足りるかな。準備しますね」
「手伝うよ」
「温めるだけだけどね。あ、見て見てお茶碗買って来た!」
既に洗って棚に入れてある茶碗やら箸やらを取り出し、は龍之介に見せる。
「いいね。らしいチョイス」
「ふふ、良かった。お揃いの選ぶのって楽しいね」
マグカップを手に微笑むに、龍之介も微笑みに口付ける。
「危ない事なかった?」
「大丈夫だったよ」