君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第66章 66
「頑固なところも、気が強い所も、強がるところも、全部知ってます。そこものいい所ですし、愛しています。俺みたいな優柔不断にはみたいな子が必要とも思います」
龍之介の言葉には苦笑する。
可愛く見せてきたつもりだが、自分でも自覚している隠したかった部分をとっくに見抜かれていたようだ。
「そうだね。二人なら補い合いながら過ごしていけるかもしれないね。くん、ご両親には?」
「まだ何も伝えていません。伝える必要もないと思います。東京に来て半年以上になりますけど、手紙も電話も何もありませんから」
苦笑交じりのに、小鳥遊も万理も紡も頷く。
そして龍之介はそんなを見てそっと肩を抱いた。
「寂しくないよ。みんないるし、龍くんに愛されて幸せだもん」
「うん。でも、には俺もいるって再アピール」
「いっぱい伝わってるよ。ありがとう、大好き」
にこやかな二人に小鳥遊は万理を見て、そして頷く。
「十くん、くんの受け入れはいつから可能?」
「すぐにでも」
「万理くん、引っ越し会社の手配お願いできる?」
「はい。すぐに」
「社長…?」
「学業、仕事、生活に支障が出たらすぐに同居は解消する。何かあったらすぐに戻ってきなさい。いいね?」
小鳥遊のその言葉に、は頷き、頭を下げる。
「ありがとうございます!」
「うん。万理くんでも紡くんでも僕でもいい。ちゃんと困ったら相談するんだよ」
「はい」
「十くんも、くんに困ったことがあったらコソッと相談してね」
悪戯に微笑む小鳥遊には小さく頬を膨らませ、龍之介はくすくすと笑い頷く。
「はい。小鳥遊社長、俺にを預けてくださりありがとうございます。お互いに支え合って、日々を大切に過ごします」
「…まだ嫁には出さないよ?」
小鳥遊の返しに、確かに結婚の挨拶みたいだ、とはくすくす笑う。
「くんも、荷物をまとめて行こうね」
「はい。準備進めていきます。とはいえ、本当は一人暮らしする予定だったんですけどね。引っ越しの相談の時は」
「でも一人で暮らすのも心配だし、十くんとっていうのなら僕たちはそちらの方が安心だよ」