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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第66章 66




IDOLiSH7のファンの間では、寮の位置は特定され、時折出待ちなどで人が溢れて警察が出て来ることもある。
が住んでいるのが知られた以上、しっかりとしたセキュリティが張られているわけでは無い寮で過ごすのは、龍之介の言う通り危険が伴うかもしれない。

「くんは?」
「…私は、寮に住むことに不安はないです。でも、私の周りにはこれからもスキャンダルがまとわりつくであろうことは予想できますし、そうなる度にみんなや近隣に迷惑をかけるだろうことも予想できます。だから、引っ越しを相談したんです。十さんと一緒に暮らすのは…願ってもないことです。お許しがいただけて我儘が言えるのであれば、一緒に居たい。少しでも傍に居たい。そう思います」
「…ふむ」

小鳥遊の小さな唸りにはそちらを見る。
小鳥遊は東京でのの保護者である。
だからこそ考えることは多いだろう。

「確かに、うちの寮は女性芸能人向けとは言いづらいね。くんに男性ファンが多いことも耳に入っているし…。かといって、すぐにセキュリティ面を強化するよりは、そもそも整っている場所への引っ越しは良い案だと思う。だけれど、くん。君はまだ未成年。しかも高校生だ」
「はい」
「君はこういう仕事をしているだけあって、行動も思考も大人びている。だから、十くんと暮らすとしてもそこまで心配はしていない」

小鳥遊の言葉には頷きながら彼を見る。

「ただ、好き同士とはいえ、一緒に暮らすとなればこれまでに感じなかった苦労も味わうことになる。お互いの様々な面を見ることになるしね。暮らし始めました、やっぱり無理でした、とそう簡単にはいかなくなるよ。その覚悟はできているかな?」
「愛だけでどうにかなるとは思ってません。だけど、苦労も嫌な面も、すべて私が愛した十さんですから。覚悟もありますし、大丈夫だと言い切ります」
「…そうか」

の言葉に小鳥遊は頷き、次いで龍之介に視線を向ける。

「十くん、僕が彼女を見てきて、案外頑固で気が強い子だなと思ってるけど、そんな彼女と過ごして君は大丈夫かな?」

小首を傾げる小鳥遊に、龍之介は小さく笑い頷く。

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