君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第7章 7
「チークいりませんかね、これ」
「二人とも頬染まっちゃってますもんねー」
メイク同士がくすくす笑う中、あわあわとした様子で離れ、龍之介はの隣に案内されて座る。
「………」
「………」
鏡越しに見つめ合い、また照れ臭そうに視線を逸らす二人なのであった。
「二人とも、今の状態で照れてて本番大丈夫ですかね」
「龍なら大丈夫よ。ちゃんはまだよくわからないからどういいようもないけど」
「うちのもスイッチ入れば大丈夫だとは思うんですけどねぇ…」
万理は、龍之介について来た姉鷺と共にならんでメイクを施される二人を見る。
彼から見て、が龍之介に少なからず好意を持っていることは明らかだったし、龍之介もまたを意識していることは見てわかる。
それが今回の撮影と今後にどれだけの影響を及ぼすかは未知数である。
「17よね、ちゃん」
「そうですね、うちの事務所でも、四葉環、和泉一織と並んで最年少です」
「なら龍も、さすがに手を出そうとは考えないわよね」
「…そうですよね」
姉鷺の言葉に万理も頷き、それでも少しばかり注意すべきであろうとに視線を向ける。
「まぁ、恋も経験だけど。でもうちの龍とさせるわけにいかないわ。TRIGGERはファンみんなの恋人なんだから」
「にも言い聞かせておきます」
そんな事を話しているうちに、二人ともメイクが終わったようである。
「ありがとうございます」
「じゃ、そのまま着替えちゃおっか。衣装室行こ」
「はーい」
「マネージャーさん、着いてきます?」
スタイリストに問われ、万理は苦笑しながら首を横に振る。
「様子は見ときたいけど、さすがに着替えはお任せします」
くすくす笑いながら万理は軽く手を振りを見送る。
マネージャーとして、これから着替えに遭遇し、見ていなければならない場面は増えてくるだろう。
けれど、その辺りは自重できるときは自重すべきとも思う。
「では行ってまいります」
「はい、行ってらっしゃい。外で待ってるからね」
微笑みはスタイリストと共に衣装室へ入る。