君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第7章 7
「今日は、この衣装で宣伝用の映像と写真を撮って、こっちに着替えてから撮影するね」
「はい!」
まずは宣伝用、コマーシャル用に使われる映像を撮るようだ。
明治の女学生のイメージそのままの赤い矢絣に紺の袴を着用し、足元はショートブーツ。
髪はハーフアップで大きな赤いリボンがついている。
「うわぁ…可愛いー!」
「さん、やっぱ似合いますね!」
「年齢的にも現役JKですしね!」
「十さんも着替え終わってるみたいなんで、早速合わせに行きましょう!」
スタイリストに背を押され、は頷き衣装室を出る。
丁度龍之介も着替えが終わったようで扉を開いて出てきたところであった。
「十さん…」
「さん…」
「かっっっこいいですね!!」
「かっっっわいいね!!」
お互い褒め合う言葉がかぶってしまい、二人で、え?と首を傾げる。
前回の衣装合わせでは、サイズを合わせただけであったので、きっちりと着込んでいたわけでは無かった。
これがフル装備となり、にも龍之介にも装飾品が増え、さらに見栄えが良くなっているのである。
周りの一同は、そんな二人にくすくす笑い、ほっこりとした気持ちを味わっていた。
「かっこいいです!本当に!」
「あ、ありがとう!さんも可愛い!すごく似合うよ!」
「ありがとうございます!」
「ほらほら、褒め合ってないで、スタジオ行きますよー」
「はーい」
「はい」
二人並んで相変わらず褒めちぎり合いながら、スタジオへ向かう。
そんな二人を見て、姉鷺と万理は顔を見合わせた。
「ねぇ…」
「はい…」
「「これはやばい」」
と。
「どうすんのよ、龍、絶対今惚れたわよ」
「…役柄、ってことないですよね」
「…そう願うわ」
楽し気なと龍之介と対照的に、青ざめるマネージャー二人なのであった。