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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第7章 7




「さんメイク入りまーす」
「よろしくお願いします」

さすがはまだまだひよっこではあるが女優。
先程万理と龍之介に注意されたことをもう実践し、メイク室に入る頃にははクールキャラを演じ始めていた。
が、メイク室の中に女性しかいないとわかるなり、いつものふにゃふにゃが始まった。

「さんいくつだっけ?」
「17です!」
「はー、さすが。お肌ピッチピチだわー。自分でメイクする?」
「はい。今日はどういうメイクがいいかわからなくてお任せの方が良いかなと思ってスキンケアだけですけど、基本的に自分でやってます」
「こだわりとかある?」
「いえ、プロの方にお任せの方が絶対最高って思ってるので…あ、眉がこの辺だけなんか薄いんで、埋めてほしいです!」

何使ってるの?などコスメの話をしながら、和気藹々とメイクを施していく。
普段は衣装を先に着ることが多いが、今回は和装の為にメイクを先に行うらしい。

「十さん入りますー」
「はーい!」

メイクの言葉に、はちらりと入り口を見る。
龍之介も着替えは後の様で、先ほどの服のままであった。

「主役二人揃ったねー」
「よろしくお願いします」
「十さん」
「ん?どうしたの、さん」

が声をかけ、台本を開く。

「台本のここなんですけど、間合いが難しくて…」
「どれ?」

ドレッサーの前に座るに近づき、しゃがみ込んでの持つ台本を覗き込む。

「うーん。俺がこのセリフの後に手を伸ばしてみるから、それを取りながら話すっていうのはどうかな」
「なるほど、シーンの雰囲気的にも良さそうですね!ありがとうございます!…っ」
「うん、どういたしまし…て…」

礼を言いながら顔を上げたが龍之介を見て頬を染め、それに答えようとに視線を向けた龍之介もまたを見て頬を染め固まる。
近付きすぎた二人は、あと数センチで額がぶつかってしまいそうなほど至近距離にいた。

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