君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第61章 61
龍之介の唇が開けば舌を差し入れ、絡ませた。
「…ん」
「ぁ…ん…」
「」
「ちゃんと、後で埋め合わせするから」
微笑み龍之介の頬に口付けてからにぱりと笑う。
そんなの笑みに毒気を抜かれたように笑い、龍之介もまた頷いた。
「お楽しみに取っておくね」
二人手を繋いで部屋を出て、ダイニングキッチンへと入れば全員で何やら食事の準備中。
「お待たせー」
「邪魔したか?」
「どうかなー?」
大和の問いに首を傾げながら袖を捲り、は手を洗う。
「龍くんは、お客さんだから座ってて」
「ん?俺も何か手伝うよ」
「十さんにそんな事させられません!僕が代わりに何でもやりますから!」
「そーちゃんに飯任せたら何でも真っ赤っかにすんじゃん!!だめだってば!」
既に大騒ぎである。
今日の晩御飯はみんなでつつける鍋。
材料を切って煮るだけではあるのだが、そこがもう騒がしい。
「ー、大根取ってくれー」
「はーい。環ー、そこにある大根取ってー」
「ほーい」
「ありがとー」
環に礼を言い、三月に大根を手渡せば、後ろから手が伸びる。
誰かが何かを取るのかと思いきや、嗅ぎ馴染んだ香りと共にそのまま後ろから抱き締められた。
「龍くん?」
「俺も手伝いたい」
やきもちである。
元々気遣い屋ではあるから、ただ座って誰かが何かをしているのを見ているだけなのは苦手だ。
けれどこれは明らかにがIDOLiSH7のメンバーと和やかに作業している事への嫉妬だ。
はそれに全く気付いていないが。
「手伝いー?んー…ちょっと私抜けるねー」
呟けば龍之介の手を引き、は調理の列から抜ける。
そのままダイニングの椅子に座らせれば、その膝に乗った。
「なにあのイチャコラバカップル」
「見んな。見たって虚しくなるだけだろー?」
大和のツッコミに三月が返せば、一同それとなく視線を外す。
「寂しかった?」
「うん。それに座って待ってるのも悪いなって」
「そっか。でも今人手はいっぱいあるし…」
呟けははそのまま龍之介に肩を抱かれ引き寄せられる。
「良い子で待ってられる?」
「ご褒美は?」
「んー…」