君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第61章 61
くすくす笑いながら龍之介の膝から降り、は調理スペースをちらりと見てから皆に背を向けて、椅子に座る龍之介の足の間に自らの膝を乗せて椅子に上がる。
そのまま龍之介の顔を上に向かせて、口付けた。
「っ…」
「ん…愛してる」
こくりと、の唾液を飲み込んだ音を聞いて、は唇を離す。
「俺も愛してる」
龍之介の返答に満足そうに微笑み、は椅子から降りて頬に口付けてから調理に戻る。
「あー!?誰プリン食べたの!私のだよこれ!環!!」
「なんで俺なんだよ!」
「人のプリン食べるの環しかいないもんっ!うえーん!龍くん!私のプリン食べられた!」
「言いつけんな!」
「、明日買ってあげるから泣かないの」
「はぁい」
「っちずりー!」
「食べたの環じゃんか!」
兄妹喧嘩のようにじゃれ合うと環を微笑ましく見る龍之介。
「アイツら、いっつもあんな喧嘩してんだぜ」
「そうなんだ。あ、俺今日車だからお酒は遠慮するね」
ことん、と缶ビールを置かれるが、龍之介は微笑み首を振る。
「あ、そうなんすか?てっきり泊まるかと」
「泊まり…」
「泊まるにしても、お酒飲むと龍くん大変だから程々にね」
くすくす笑いながら龍之介に近づけば、龍之介が腰を引き寄せる。
「大変?」
「うん」
頷き、は龍之介の頭をよしよしと撫でる。
「俺迷惑かけた?」
「迷惑ではないけど…」
エッチが凄くなっちゃう。
と耳元で囁かれ、龍之介は真っ赤になってしまう。
「自覚は?」
「…すごくある」
「だから、今日は控えめに。ね?」
「むしろ飲みませんっ!、明日学校だしね」
「え、っち明日ガッコ行けんの?」
環の問いにはこくりと頷く。
「うん、環は?」
「俺も行くー」
「一緒に行くの久々だねー。一織も?」
「ええ」
「そっか。楽しみ」
「…そうですね」
「何その間」
「いいえ、なんでも」
一織の答えにそう?と頷き、は龍之介の頬に口付け調理に戻る。
「もう、平穏な学生生活は送れませんよ、貴女は」
そんな一織の呟きは、誰にも聞こえることは無かった。