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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第6章 6




顔を合わせ微笑みあう。
そこへ、打ち合わせを終えた万理が帰ってきた。

「お待たせ、」
「おかえりなさい!万理さん、十さんと連絡先交換したけど、大丈夫ですか?」

一応事務所の方針を聞かねばと思ったようで、は万理を見て問いかける。

「ん?うん、連絡先交換はなるべく慎重にして欲しいけど、十くんなら大丈夫。良いよ。でも一応、次からは俺か小鳥遊さんに許可取ること」
「はーい!」
「むしろ、十くんはよかった?連絡先交換」
「はい。俺も事務所からは言われてますけど、さんは信頼できるし、むしろ光栄です」

にこりと微笑む龍之介に、万理もそうかそうかと頷き、そしてに弁当を差し出す。

「お弁当!」
「お昼はまだ先だけど、丁度届いたからって渡された。十くんの分ももらってきたよ、居てくれてよかった」

そう言って万理は微笑み龍之介にも弁当を差し出す。

「あ、ありがとうございます」
「うちの子が迷惑かけるかもしれないけど、よろしくね」
「こちらこそ、慣れないことが多いのでさんに迷惑かけてしまうかもしれないので。よろしくお願いします」

ぺこりと頭を下げ合う万理と龍之介に、もよろしくお願いしまーすと微笑みお辞儀。
その笑顔を見た万理は、前から言おうと思ってたんだけど、と前置きしてから口を開く。

「、君は誰にでも愛想振りまいちゃだめだよ」
「へ?」
「俺、まだ会ったばかりだけど、心配です」
「え?」

更に龍之介にまで心配そうに言われてしまい、は二度首を傾げる。
今までオーディションに落ちてきたとはいえ、それは失敗も経験の内と、敢えてのイメージからほど遠い役柄で応募させてきたのだ。
だから、に魅力がないわけでなく、むしろ彼女は一度はまり役をこなしてしまえば、世間が放っておかなくなるほどの魅力を兼ね備えているはずなのだ。

「その笑顔。誰にでもホイホイ見せるんじゃないの」
「芸能人は笑顔が命…」
「うん、そうなんだけど。現場とかはちょっとクールキャラでいきなさい」
「クールキャラ…十さんにはもう通用しなくないですか?」
「俺はもう、素に近いさん見ちゃってるもんね」

くすくす笑う龍之介に、も頷きくすくす笑う。

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