君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第6章 6
「まぁ、場所によりけりで良いんだけど、臨機応変。女性のうわさが絶えない共演者がいるときは本当に気を付けなさい。連絡先も、十くんだから許したけど、これからは簡単にしない事。どうしてもの時は俺を通して。むしろ先に俺の連絡先相手に渡して」
「はい、そこは気を付けます」
万理の言葉にビシッと手を挙げ、はこくりと頷く。
さすがにその辺りの自己防衛は解っているらしい。
「よし良い子。どうしても好きになっちゃうとかってあるだろうから、そこは仕方ないとは思うけど、まだデビュー作も撮り終わってないんだし、少しだけ恋愛は我慢してほしいかな」
「はい、そこはさすがに私もわかります。ので、気を付けます!」
仕切りに頷くに、万理も頷き返す。
龍之介もそれは確かにそうだね、と頷きを見た。
「ん、頼むね。お、そろそろメイク室移動して準備始めようか。今日はメイク先だったよね」
「はーい。そうみたいです。和装だからですかね。袴楽しみです」
「あぁ、もうそんな時間かぁ…。俺も自分の楽屋戻って、後から少し遅れて行くね。俺の方がメイク時間短いと思うし」
「はい!ではまた後ほど」
時計を見ながら頷く万理と龍之介に頷き、はにこりと微笑む。
「「だからそれ気を付けて!!」」
「……はぁい」
声をそろえる新たな過保護二人に、苦笑しながら頷くであった。
「十くん、俺が現場に居られない時まだ結構あるから、をよろしく」
「さんは俺が全身全霊掛けて守ります!!」
ここに、への過保護者がまた一人増えたのであった。
「まぁ、俺は十くんもちょっと警戒してるけどね」
そんな万理の呟きは、誰にも聞こえることは無かった。