君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第48章 48
「ちゃん、十さんと何回ラブシーン撮ってるんだろ」
「ちゃん、男の理想高くなっちゃいそうだよねぇ…」
「でしょうねぇ」
「龍は良い男だからなぁ」
二人を見ながら呟く天と楽。
そんなスタッフたちの想いを他所に、二人はシーツに包まり抱き合う。
色っぽさはあるがいやらしくならないのは、の清楚さのなせる業だろうか。
「カット!照明落とします!十さん、さん、さっきよりさらに色っぽくお願いします!」
「はーい」
「ちゃん、メイク直すねー」
「お願いします」
メイクを直し、はベッドの縁に座る。
スタートがかかれば、龍之介に後ろから腕を引かれ、そのまま龍之介に跨った。
「アイツと俺、どっちが好き?」
「どっち、かな」
「俺の方が好きって言って…」
「…好き…んっ」
「もっと」
「好き…っ」
「…いい子」
「っあ…」
最後の一言と共に龍之介はの腰を自らの腰に引き寄せ、はピクリとはねながら呼吸を乱した。
「龍…」
「愛してる」
「…っ言わないで…そんなこと」
「本気になる気、なかったんだ」
「…龍……」
「俺にしてよ…」
「ん…」
首筋に口付け、小さく吸い上げる。
もまた、龍之介の首筋に口付けた。
「今だけは…愛してる」
「…今はそれで満足する。でも…」
にこりと一度微笑めば、を押し倒しベッドに縫い付ける。
「っん」
「次、俺のとこ来たら、二度と離さない」
が龍之介の言葉と視線に息を呑んだところでカットがかかった。
「カット!!OKでーす!」
「ちゃん、大丈夫?」
「…あ、大丈夫です!」
「ちゃん、ごめん。強すぎた?」
「いえ!大丈夫です!」
軽く首を振り微笑むに、龍之介は何か考えた後一度休憩を取らないかと提案し、セットのチェンジもあるから丁度いいと休憩をとることになった。
微笑みながらも足早に楽屋へ向かうを怪しまれない程度にゆっくり追いかけ、龍之介は楽屋の扉をノックした。
「?」
呼びかけると同時に扉が開き、中へ引きこまれる。
驚く間もなく扉が閉まり、抱き着かれ、口付けられた。