君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第5章 5
「呼びに行こうかと思ったら丁度だったか。おはよう」
「おはようございます、万理さん!」
「さ、乗って」
微笑む万理に促され、助手席に乗り込めば今日の予定が書かれた紙を渡される。
「よく眠れた?」
「信じられないくらいばっちり眠れました!けど、朝は…というか、今も緊張で吐きそうです」
「ははは!それだけいい作品にしたいって思ってるってことだね」
「それはもう!ものすごく思ってます!」
良い心がけ、と微笑まれ、車は発信する。
緊張すると口に出したから、少しばかり気持ちも落ち着き、は三月に渡された朝食を食べ始める。
「三月くんお手製?」
「です、めっちゃおいしい」
「良いねぇ、俺もちゃんと朝飯食ってこなきゃだったなー」
呟けば、不意に口元に差し出されるオレンジ。
「ん?」
「あーん。ちゃんと食べてください。マネジメントも、体力勝負ですよ」
いっちょ前に呟くにくすくす笑い、それでは遠慮なく、と万理はオレンジにぱくつくのであった。
「おはようございます!」
「おはようございます、さん。楽屋ご案内しますね」
「ありがとうございます!」
玄関で待っていてくれた案内係であろうスタッフに連れられ、楽屋に向かう。
案内された楽屋はの個室である。
「な、名前が書いてある!!」
「の楽屋だからね」
「すごい!」
「…専属のメイクさんもいます」
「ひぇー!すごい!!」
いちいち感激するが珍しく楽しかったらしいスタッフは、ケータリングかお弁当も着きます、やこの間のスタイリストもお二人の専属です、など伝え、の反応を微笑ましく楽しんだ後、またメイクの時間に呼びに来るとその場を去っていった。
「主役ってすごいんですねぇ…」
「うちがもっと大きいとこだったら個人専門でメイクやスタイリストつけれるんだけどね。ドラマだと雰囲気会わせたいから制作側が指名した人が来てくれたりもするよ」
「なるほど…」
「少し時間あるか…台詞は大丈夫?」
「はい、社長を始め、万理さん、紡ちゃん、大和さん、一織、陸くん、環、ナギくん、三月くん、壮五さん。みんなに自分らしくやって貰ったので、ある程度合わせられると思います」