• テキストサイズ

君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第5章 5




この数日間で、それだけの人数を捕まえて練習をしたらしい。
の情熱とひたむきさに、かつての自分と相方を思い出したのか、万理は思わずにっこりと微笑みの頭を撫でた。

「万理さん?」
「いや、頑張ってくれて嬉しいなと思って」

万理の言葉にもまたにこりと微笑む。

「成果出して、小鳥遊事務所の回線がパンクするくらいオファーこさせます!!」
「回線パンクは大変だけど、どんと受けて立つよ」

万理が胸を拳で軽く叩き、は頼もしいと頷き笑う。
その時、控えめに扉がノックされ、万理が扉に向かう。

「十くん!おはようございます!」
「おはようございます、大神さん。さん、おはよう」
「つ、十さん!おはようございますっ!!」

龍之介の声にがたりと立ち上がり、声を掛けられれば頭を下げ挨拶をする。
先日の告白紛い事件が尾を引いているようで、この調子で大丈夫だろうかと万理は内心苦笑する。

「大神さん、この後のスケジュールの打ち合わせお願いできますか?あ、十さん!おはようございます。マネージャーさんお見えですか?」

スタッフが扉をノックし顔を覗かせる。
龍之介の姿を認めれば、姉鷺の居所を問うていた。

「楽屋に居ると思います。俺、真っ先にこっち来ちゃったんで…」
「打合せですね。わかりました。、ちょっと行ってくるからね。十くん、すぐ席外しちゃってすみません。失礼します」
「へ?万理さ…」
「あ、いえ!行ってらっしゃい!」

一人緊張の極致にさらされた。
助けを求めようと視線を向けた瞬間に万理はスタッフに呼ばれて出て行ってしまう。
扉を出る瞬間にに向けられた万理の視線は、の反応を盛大に楽しんでいる悪戯な笑みであったのを確認した。

『万理さんの意地悪ーーーー!!!!!』

と、が内心盛大に叫んだところで、この状況は変わらない。
龍之介は万理が出て行った扉を見てからに視線を移す。
はその視線を受け、にこりと微笑んでみるも内心大パニックである。
そんながすぐに言葉を発することが出来ず、少しの沈黙が楽屋に流れたのであった。
/ 1123ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp