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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第44章 44




微笑みながら、はそっと背伸びをする。
その意図に気付いた龍之介はを抱きしめ口付けた。

「…姉鷺さん待たせてるから行かないと」
「姉鷺さんも来てくれたの?お礼、伝えておいて欲しいな」
「ん、伝えておくね。じゃあ、また来週…帰ったら連絡する」
「うん、気を付けてね」
「おやすみ」
「おやすみ、龍くん。愛してる」
「俺も愛してる」

最後にもう一度口付けて、龍之介は外に出る。

「あれ?十さん?」

なんなの今日?!
とはいえ、ここは小鳥遊事務所の寮。
仕事が終われば、IDOLiSH7のメンバーが帰ってくる場所だ。
エンカウント率は高いに決まっている。

「あ、陸!みんな!おかえり!」
「え、ちゃん帰ってたの?え、何で十さんがここに…?」
「今日撮影一緒だったの。私の忘れ物に気付いて、わざわざ届けに来てくれたんだ」

流石人気女優…。
の切り替えの早さに龍之介はこっそり感心しながら頷く。

「ペンケースだったんだけど、無いと困るかなって思って。次の仕事の通り道だったからちょっとね」
「本当にありがとうございました。また次のお仕事楽しみにしてます」
「うん、俺も。じゃあまた。みんなもお疲れ様!また一緒に仕事しようね」

にこやかに手を振り去って行く龍之介。
も微笑み手を振り見送れば、IDOLiSH7のみんなを見る。

「お疲れ様ー!みんなご飯食べた?」
「いや、まだ」
「作るには遅いし、出前頼む?」
「そうだな、何する?」
「俺ピザー」
「ピザ…この時間にピザ…明日も撮影なのにピザ…」
「んじゃあっち何がいんだよ?」
「おそばー!八乙女さんに似てる店員さん見たい!」

TRIGGERに狂った女の、不純な動機である。
そんなの我儘はあっさりと受け入れられ、そばを頼んだものの、楽にの店員の配達ではなく、はしょんぼりとした気持ちを隠しながら応対し、配達の店員にせがまれサインまで書いたのであった。

「くっそぅ、八乙女さんじゃなかった!」
「だから八乙女じゃねぇんだって。多分」
「そんなそっくりなの?」
「瓜二つ。双子みてぇ」
「こないだ八乙女さんに会った時に双子ですか?って聞けばよかったー!」

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