君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第42章 42
「そう?良いと思うけどなぁ…。セット直したら本番行こうか」
「はい!」
監督の言葉に頷き、は龍之介を見上げる。
「十さん、ぼーっとしてますよ」
「あ、いや。ちゃんの歌声良かったなって思って」
「またまた十さんまで―」
「本番行くよー!何パターンか撮るね」
「あ、ほら。行きましょう、十さん」
「あ、うん!」
そのご本番も問題なくクリアし、二人はセット変更に伴って着替え諸々で再度休憩となった。
「えーと、次が…」
次の撮影の資料を見れば、は徐々に頬を染めていく。
「どうしたの?」
「果物を口で食べさせるってどういうことです…?」
「…ん?…なんか、ちょっと…えろ、い…というか…」
「こんなのお茶の間で流れたら気まずくなりません?」
「なるかも…」
そんな会話の後休憩が明け、それはWEBバージョンだから民放では流れないと告げられた。
なんだー、と安心し、じゃあ民放版は?と資料を見れば二人で抱き合い、ゆっくりとが下がって良き、龍之介がの頭を掴むように撫でる、と書いてあった。
「…そっちも民放で流せなくないですか?」
「十くんズボン履いてるから大丈夫だよー!」
「お腹より下に顔もってけってことですね?」
「さん察し良くて助かるよ」
「十さん、ちょっといいですか?」
「え?うん」
龍之介が頷けばは龍之介の肩に触れ、そのまましゃがんでいく。
「私が膝立ちになると、十さんのお腹…座り込んじゃって、手は胸よりちょっと下…十さん、この手掴んで?」
「ん」
「どうでしょう?視線が下がり切らなくていい感じかもって思ったんですけど…」
「あ、綺麗だね!これで行こう!エロくなりすぎずいい感じだね!」
「良かった…さすがにあまり下がりすぎるとあの…恥ずかしくて…」
照れ臭そうに呟くに、それもそうだよねぇ、と監督は納得したようでこくりと頷く。
「一回カメラ確認したいから、リハしていい?」
「はい!宜しくお願いします!」
「よろしくお願いします!」
その後動きを確認し、本番も無事OKをもらい、問題のWEBCMバージョンの撮影へと入る。