君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第42章 42
「二人でベッドうつ伏せに寝転んで、で、そこにカゴあるから。さんにはまぁ、一口で食べられる苺とか葡萄かなぁ…選んでもらって、十くんに食べさせて欲しいんだ。口で」
「口…咥えて、十さんの口元もっていけばいいんですよね?」
「そういうこと」
「リハ、一回お願いします…」
の希望でリハ開始である。
ベッドにうつ伏せに寝転ぶのは良い。果物を選ぶのも構わない。
「十さん、苺で良いです?」
「ん、何でもいいよ。苺…より小さい方が食べさせやすいかもだけど」
「リハは苺で試しましょう」
こくりと頷き、スタートがかかればの視線は突如妖艶さを増す。
そのまま一度を手に取り口に咥えれば、龍之介の口元に近づき食べさせた。
龍之介もまた心得たもので、口への含み方がとてつもなくエロかった。
「カーット!!」
「苺、でっかくないです?」
「うつ伏せで食べるのはちょっと大変…他なにある?」
「んー、ラズベリー、葡萄…この辺りですよね。ブルーベリーだと小さすぎて何食べさせてんのかわかんないし」
「セットが暗いから色はっきりしてるラズベリーとかの方が良いかなぁ」
二人でうつ伏せのまま、果物の入ったカゴを物色。
仲睦まじいものである。
「監督、果物変えていいですか?」
「いいよー。本番行っていい?」
「はい!」
「では、本番行きます!よーい、スタート!」
流れは先程と一緒。
が果物を口に咥え、龍之介の元へ運ぶ。
が、しかし、先程より明らかに果実が小さいので、龍之介に咥えさせることが難しくなる。
一瞬間をおいてその間に思考を巡らせれば、は舌でラズベリーを押し出して龍之介の唇に当てた。
龍之介もまた舌でラズベリーを受け取ってから口に含む。
余りのエロティックさに、周りのスタッフもしん、と静まり返ってしまう。
「カット!」
カットがかかり、二人は起き上がって監督を見る。
監督はフルフル震えあがりながらサムズアップ。
「完璧!OK!なんだけど、他の果物のカットも撮って良い?」
味をしめたらしい。
監督の要望に頷き、二人はまた何カットかを撮影。
「はい、全撮影終了!お疲れ様!」
「「ありがとうございました」」
監督のOKが出れば拍手が沸き起こる。
それから二人はスタッフや監督に見送られ、楽屋へと戻るのであった。