君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第40章 40
潤んだ瞳、ほのかに染まる頬、唇は写真ですら微かに震えているように見える。
初めての快感を覚えて戸惑っているかのような、そんな表情を浮かべていたのだ。
「良いね!最高!」
「よし…」
「やるわね、ちゃん。ちょっと、ホントあの子欲しいんだけど」
「あげません」
「おっけー!すぐ着替えて続き撮ろう!」
カメラマンがOKを出し、一同ワッと動き出す。
は龍之介と共に着替えに向かう所をスタイリストに声をかけられた。
「ちゃん。ここで着替えるよー!」
「はーい!」
わざわざ楽屋に戻る面倒さを回避するため、衝立で仕切られたスペースに入り、はごそごそと着替え始める。
「俺脱ぐだけですよね」
「あ、ちゃんはメイクもちょっと変えるんで、脱ぐのは後でお願いします。風邪引いちゃうといけないんで」
「わかりました」
衝立の向こうでパタパタと着替えとメイクが進んでいるのが分かる。
龍之介は番人の気持ちで近くに立っていた。
「えっろ…」
「ちゃん、これヤバいよ…17歳の出す色気じゃない」
「いやいやいや、そんな…」
衝立の奥から聞こえるその会話に、平常心を必死で保龍之介。
やがて衣擦れの音と共に、がひょこりと顔を出した。
「十さん」
「…ちゃ…」
何でバスローブ着てないの?!!
黒いベビードール。
下着部分は赤くなっており、ワンピース部分が透けているレースとなっている。
先程の衣装よりブラジャー部分もショーツ部分も際どくなっており、かなり目に毒である。
龍之介もまた、の裸を見慣れていても、いや、見慣れてきたからこそ欲を掻き立てられる。
どうやらすぐに撮影に入るから着なくていいという判断が下された模様。
それにしても周りのざわつきと注目が半端なく、龍之介はを隠したくて仕方ない衝動に陥る。
愛しい子を、誰の目にも触れさせたくなかった。
「お、準備出来た?じゃ、早速始めようか」
「じゃあ十さん、シャツ…」
「いや、そのままでいこう」
カメラマンがカメラを片手に龍之介とを見る。
「さん、十くんのシャツ脱がすところから始めよう」
「はい」
「わかりました」
「撮影始めるよー!照明さっきより暗めで!」