君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第35章 35
「おーいしかった!ごちそうさまでした」
「ん、お粗末様」
「食器洗うね」
「いいよ、俺やっとくから」
「それくらいは時間あるし、大丈夫だよ」
微笑みながらブレザーを脱いで袖をめくり、は食器を洗い始める。
「学校行っちゃう?」
「ん、行っちゃう。これからまた忙しくなるから、行けるときに行かなきゃ」
「ん。えらい」
「寂しいの?」
「ちょっと寂しい」
後ろから抱き着かれながら、は龍之介を見上げて微笑む。
でれでれである。
「ふふ、愛してるよ?」
「俺も愛してる。から寂しいんだよぉ」
「龍くん…たまんないなぁ、もう」
最後の皿を洗い終え、散った水滴を拭いてから手を拭けば、は龍之介に振り向き抱き着く。
「急いで帰ってくるから」
「うん、待ってる」
「行く前にもっかいちゅーしよ…?」
「ん、する…」
「ん…」
何度か啄むように口付けられ、が舌をちらりと覗かせればその隙を逃さないように深く口付けられる。
腿を這う龍之介がそれ以上上がらないように手を繋げば、その手は龍之介の下半身へと沿わされた。
「おっきくしてぇ…」
「が可愛くて…収まるからだいじょ…?!」
えいや!とばかりにしゃがみ込むと同時に龍之介の部屋着のズボンと下着を下ろす。
「一回だけだよ?」
「んっ…おさま、るって…ん」
「いーから、ん、…」
それから数十分後。
はどたばたと教室に駆け込み、自らの机にだんっ!とカバンを置いて時計を見た。
「セーーッフ!!」
「っちおはよー」
「環、おっはよん」
「さん、最近外泊が多いみたいですけど」
環と一織に声を掛けられ、にこりと微笑む。
「一昨日ドラマ放送日だったでしょ?だから、友達と見てたの。そのまま疲れて寝ちゃったんだー。念のために制服持って行っててよかったよ」
のその言葉に、環も一織もなるほどと頷く。
持ち前の明るさから、は転校してきてすぐに友人がたくさんできた。
そのうちの一人とでもあっていたのだろうと納得である。