君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第35章 35
月曜日。
一晩中愛され結局一睡もしていない。
今日はオフだが、オフだからこそ行かねばならないところがある。
「学校でぇす」
持ってきた制服に着替え、朝食の準備をしている龍之介の後ろから抱き着く。
「龍くん、髪ボサボサ」
「いつも朝起きるとボサボサなんだよね」
「猫っ毛なのかな?ふふー、可愛い」
「俺の事可愛いなんて言うのくらいだ、よ…」
振り向きざまにに口付ければ、制服姿なことに気付く。
「、それ…」
「ん?龍くんに見せたことないっけ?」
「うん、初めて見た。勉強してるとこは見てたけど。すごく可愛い」
「あ、そっか。現場入り朝からばっかだったから、制服着ていったことないか」
加えて、遅刻で学校に行けるような時間に撮影が終わることもなかった為に、いつも私服で現場入りしていたことを思いだした。
くるりとその場で回り、どう?と問いかければ抱き着かれる。
「ほんとに高校生なんだね」
「そうなんですよ。花の女子高生なんですよぅ」
「俺、ホントに悪い大人…」
「それ言うと私は大人をそそのかした悪い子になっちゃうからー」
「悪い子にはお仕置き?」
「時間無いからだーめっ。今日帰ったら、いっぱいしよ?」
真っすぐここに帰るから。
そう言っては龍之介に口付ける。
「ん、何時くらいに帰る?」
「そうだなぁ…17時くらい」
「良い子で待ってる」
「んもう、可愛い!良い子!大好き!」
「俺も大好き」
「ん…やっぱりかっこいい…ん、ぁ」
耳元で囁かれ、はほのかに頬を染めて龍之介を見上げ口付ければ、その口付けはすぐに深まる。
トースターの焼き上がりを知らせる電子音で唇が離れれば、名残惜しそうに銀色の糸を引いていた。
「ごはん、食べよっか」
「ん。食べる」
龍之介を手伝って食器をダイニングテーブルへ運び、二人座って手を合わせる。
「いただきます」
「いただきます!…おいしーっ。龍くん、料理上手いね」
「そう?簡単なものしか作れないけど…」
「これ簡単なの?」
トーストに、色とりどりの温野菜とスープにオムレツ。
見た目からして美味しそうなそれはの腹にパクパクと収まってしまった。