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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第35章 35




「ー、ドラマ見たよー!」
「ありがとー!」
「十さんとのキスシーン最高だった!羨ましいぃー!」
「は?!っち、リュウ兄貴とキスシーンあったん?!」
「羨ましいか環ぃ」
「羨ましかねーけどさ。すっげぇな」

環の言葉にくすくす笑い、は頷く。

「もんのすっっっっっごく緊張したんだよ。でも頑張った」
「自然なキスシーンだと思いましたけど」
「え、いおりん見たのかよ!俺たちあの日帰ってきたのドラマ終わった後だぞ?」
「昨日見ましたよ。兄さんが録画してましたから」
「マジか。帰ったら見よー」
「みんな見てくれて嬉しい」

くすくす笑いながらは頷く。

「朝のは見たぞ!っちが、TRIGGER出てきて泣いちゃってるとこ!」
「あれは泣いちゃうでしょ?!TRIGGER出てきたんだよ?!」

環の言葉に、は拳を握って力説である。
並大抵の感動を通り過ぎていたらしい。

「いつの間にかTRIGGERにハマってましたもんね、さん」
「最初は踊るためだったけどねー。覚えるために曲聞いてるプラスで十さんと撮影で長いこと一緒にいたからもう、あかん」

うんうんと頷きながら呟くに、環はまぁなぁ、と頷くものの、一織はじっとを見るばかりであった。

「ちょ、何ですかこの宿題の量!!」

放課後、職員室へ呼び出されたに舞っていたのは、紙袋に詰め込まれたプリント類。

「仕事で休んで授業受けられなかった分だ。突然忙しくなって補修も受けられないみたいだしな」
「確かに…半年分くらいスケジュール埋まっちゃってますけど…」

山と積まれたプリントに、はひくつく頬を隠せない。女優なのに。

「特に提出期限は設けないが、早めにな」
「わかりました。出来た分から登校時に提出します」
「ん、頼んだ。体壊すなよ」
「頑張ります!では、失礼します!」

プリントの入った紙袋を受け取り、一礼して職員室を出れば、は急ぎ足で校門へ向かう。
龍之介との約束もあるが、取り敢えず荷物の整頓をするために寮に帰らねばならない。
ひとまず一旦寮へ向かう事を龍之介に連絡する。
朝の龍之介の寂しそうな顔を思い浮かべながら、は小鳥遊寮へと急ぐのであった。

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