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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第34章 34




「…」
「うん…龍くん…」

微笑み、は頷く。

「私がここ住むのは来年…かな」
「うん。それまでに俺、誰にも文句言わせないくらい仕事頑張る」
「私も。やれる事全部やって、龍くんの隣に相応しい人になる」
「俺もそうなる。の隣に立って、を堂々と愛してるって言いたい」
「龍くん…愛してる」
「俺も愛してる」

いつの間にか箸は置かれ、二人はそっと唇を合わせる。

「ん…待っ…さっき餃子食べた!」
「俺唐揚げ食べた」
「絶対ニンニク…んっ龍く…」
「気にしない」
「気にしてよぉ!…ぁ…」
「じゃあ、俺の気になる?」
「ならない、けど」
「一緒」
「それとこれとは話が違うも…んあ」

短い攻防の後、ちゅくちゅくと舌が絡まり、は小さく笑みを浮かべ龍之介の膝に跨る。

「もー…龍くんのバカ」
「ごめん。でも、俺どんなでも愛してるよ」
「私も愛してる。でもお口の匂いはデリケートなの」
「でもも俺の舌吸ったよ?」
「ん…だって、えっちなちゅうするから…」
「じゃあ、もっとエッチになろっか」
「だぁめ。もうすぐドラマ始まるもん…」

の言葉に時計を見れば放送五分前。
さすがに五分では愛しつくせないと観念し、龍之介はぐっと我慢することにした。
食事も食べ終えていないし、と二人で並んで座り直し、息を整えれば丁度放送が始まる。

「雅も可愛かったけど…はが一番可愛いなぁ…」

ビールを開け、くい、と飲みながら呟く。
隣にはもきゅもきゅとチャーハンを食べる。
頬に含むなどお行儀の悪いことはしないが、何故か小動物の食事シーンのような愛らしさがある。

「龍くんは…軍服が似合う…最高に似合う。この姿を前にして何度告白しそうになったことか…」
「そんなこと考えてたの?」
「考えてたの。終わるまで我慢。って、ずーーっと我慢してた」

撮影中に気付いてしまったお互いの恋心。
けれどお互いで、仕事をやり切るまで我慢しようと決めた。
タガが外れて何度も唇は重ねてしまったが、それ以上先に関係を進めることは必死に我慢した。

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