君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第34章 34
「頑張ったよね。俺たち」
「すっごく頑張った。頑張って気持ち抑えてたのに、雅と徹はさっさと告白して好き好き言い合って結婚までしちゃった」
くすくす笑いながら、はお茶を飲みつつ龍之介を見上げる。
「ん?」
「…一緒に住むってなったら、どうすればいいのかな?」
「まず、二人の事務所に報告…かな。次にの実家じゃない?」
「実家…」
「親御さんに挨拶しないと。大切な娘さん頂くんだから」
「私も沖縄行ってご挨拶だね。お父様と弟さんたちに」
「みんな喜ぶよ、きっと」
幸せそうに微笑み、は龍之介の肩に頭を乗せる。
ちょうど、最初のキスシーンである。
「あ、友達からいっぱいメッセージ届く」
「学校の?」
「うん、同じ芸能クラスの子たち。キスシーンあること言ってなかったからなー」
震えるスマホを見ながらは苦笑しながら通知を切る。
「いいの?」
「うん。ドラマ終わったら返す。チラ見したけど『十さんとキス良いなー!』とかばっかだったから」
「はは、もう一回…あ、二回あるんだけどね」
「そっか、挙式とラストだ」
頷くの顎を軽く掴み、龍之介は口付ける。
「龍くんのキスしか知らないけど…なんでこんなに幸せな気持ちになるんだろう?」
「…俺がを愛してるからかな」
「私も龍くんを愛してるからかも」
「両方だね」
「うん」
「…、続きは録画みよっか」
「…歯磨きたい」
「それも後」
くすくす笑い、龍之介はを抱き上げ立ち上がる。
「龍くん…」
「お風呂とベッドとここ、どこがいい?」
「…ベッド」
「了解、お姫様」
微笑みに口付ければ、もうどうにでもなれと腹をくくったから口付けを深められる。
そんなを抱き上げたまま、龍之介は寝室へと向かうのであった。