• テキストサイズ

君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第33章 33




遠目に二人を見張る姉鷺と万理は感心したようにを見る。

「今回のドラマ、情熱的なキスシーンも印象的でしたが、特にさんはどんなお気持ちで撮影に挑まれましたか?」
「ものすっごく緊張しました。キスなんてしたことなかったですし」
「ファーストキスということですか?」
「はい。最初は少し迷ったんですけど、でも女優としては本望では?と思いまして。更に相手が十さんですから、女冥利に尽きますよね。そう思いません?」

にこやかに答えるに、龍之介はくすくす笑う。

「ちゃん、凄い度胸ですよ。リハも本番も一発OK取ってます」
「だって、私なんかが十さんと何度もそんなことしたら、ファンの方に申し訳ないじゃないですか」

よく言う。
と、姉鷺は小さく吹き出す。

「したたかな女は化けるわよ。頑張ってね、大神くん」
「頑張ります」

仕事から離れた瞬間に龍之介にべったりなくせに、いけしゃあしゃあと答える。
姉鷺はそんながさらに気に入ったご様子。

「質疑応答終了のお時間です。これから写真撮影に入りますので、記者の皆様は少々お下がりください」

司会の言葉にと龍之介も壇上で一歩下がり、顔を見合わせる。

「お兄ちゃん?」
「おにーちゃん」

語尾にハートが着いたかのように甘えた声で呼ばれ、龍之介はうっかり照れてしまう。
下に兄弟はいるが皆弟だ。女子、それも愛してやまない子にそんな風に言われると何だかいけない気持ちになってしまう。

「可愛い」
「ふふー」
「十さん、さん!視線こちらお願いします」
「はい」
「はい!」

何ポーズか写真を撮り、未だ質問が飛ぶ中と龍之介はスタッフの誘導で裏へと引っ込む。

「取材緊張する…」
「お疲れ様」

くすくす笑いながら控室へ入れば、は龍之介を見上げる。

「新曲発表なんて知らなかったよぅ」
「ごめん。へのサプライズだったから言えなくて。びっくりした?」
「びっくりしすぎて泣いちゃった。でも、すっっっごくカッコ良かった」
「良かった。泣いてるも可愛い」
「龍くん…愛してる」
「俺も愛し…」
「龍」

/ 1123ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp