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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第33章 33




抱き着いてくるの顎を軽く掴み、愛の言葉と共に口付けようとすれば、背後から声を掛けられ、びくりと肩が跳ねる。
恐る恐る振り向けば、そこには天と楽の姿。

「て…天、楽…い、いたの?」
「今更隠しても遅いから。さん、お疲れ様」

バッとを背に隠す龍之介に、ため息交じりに呟きながらに声をかける天。

「お…お疲れ様です…」
「そっか。二人、付き合ってるんだ」

にこりと微笑まれ、冷や汗の止まらない二人。
まずい。ひっじょーにまずい。
あれだけ姉鷺にバレるなと言われておきながら、即バレである。

「まぁ、そんな事だろうとは思ってたけど」
「え?」
「最近の龍、いつもならもう少し練習ってとこでも即帰ってたろ?」
「え…そうなの?」
「と電話したくて…ごめん」
「私は嬉しいだけだけども…九条さんと八乙女さんに心配かけちゃダメだよ?」
「うん…」

17歳に諭されこくりと頷く23歳。
それでも二人に絆のようなものが窺え、天は小さく頷いた。

「周りに迷惑をかけない。ファンを悲しませないって、約束してくれる?」
「はい、もちろん」
「うん。俺達でもそう約束してる」
「…うん。なら僕もあれこれ言わない。龍」
「何?天…」
「本物の恋だったね」

そう言って微笑む天に、龍之介はうん、ありがとうと笑みを返した。
は首を傾げるも、天を見て頭を下げる。

「TRIGGERの活動を妨げるようなことはしません」
「ありがとう。ねぇ、さん」
「はい」
「君もTRIGGERのファンだから、僕たちの恋人だね?」
「へ…?」
「一緒の仕事もあると思うけど、よろしくね」
「え、あ…はい!宜しくお願いします!」

天の意味深な言葉には一度首を傾げるも、個人の仕事があるという天と楽を見送る。

「龍くん」
「ん?」
「…着替えたら、出よ?」
「…うん、そうだね。着替えよう」

の瞳に何か感じ取った龍之介は、微笑みを控室へと送り出すのであった。

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