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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第31章 31




「万理さん、一旦部屋戻ろうかと思うんですけど…」
「うん。何かあった?」
「ストッキングさっき伝線しちゃって…予備を取りに行きたいな、と」
「ああ、じゃあ俺取ってくるよ」

流石有能事務員改め有能マネージャー。
さっと動き出し部屋を出ていく。

「出番まであと一時間ってとこね。囲み取材もあるから、うっかりが出ないように気を付けるのよ」
「はい」
「気を付けます」
「で、この間のアンバサダーの件。スケジュールにもう入ってると思うけど、来週広告撮影あるからね。有名雑誌の裏表紙にババンと載るし、渋谷や東京駅に大型看板も張られるから頑張んなさいよー」
「裏表紙?!大型看板?!」
「すごい…!頑張ります!!」
「撮影まで毎日エステ行きたい…」

流石大手のブランドは規模が違う。
ますます気合の入ると龍之介であった。
万理にストッキングを届けてもらい、洗面所で履き替えれば、龍之介も身だしなみを整えるために洗面所へ入ってきた。

「今日は緊張してる?」
「この一週間忙し過ぎて、緊張してる暇もなかったからかな。だいぶ慣れたみたい。龍くんがいてくれるからリラックスしてるよ。さっき身体も解してもらったし」

微笑みながら龍之介のネクタイを取り、結びなおす。
の言葉に仄かに頬を染め、龍之介はくすくす笑い口付ける。

「次のオフいつ?」
「月曜日だったかな」
「日曜の夜、俺早く終わるから、ご飯用意して待ってる」
「仕事終わったら直行する」

綺麗に結んだネクタイを軽く引っ張り、そのまま龍之介の首に腕を回し口付ける。

「ヒール履いてるから、龍くん屈まなくていいね」
「とキスするために屈むの、結構好きだよ、俺」
「ふふ、愛してる」
「俺も」
「うっうん!!!」

洗面台に抑えつけるように口付けていれば、後ろから咳払いが聞こえる。

「そろそろ出番ですよー」
「すみません」
「はい、ごめんなさい」

腕を組む姉鷺に、苦笑しながらこちらを見る万理。
そんな二人に謝り、と龍之介は揃って部屋を出るのであった。
ここも建て直しはされているが、創業が明治というホテルであり、監督の意向で試写会の会場はここに決められたらしい。

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