君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第29章 29
「まままままさかそんな姉鷺さん!」
「そそそそそそそうですよ!!まだ付き合い始めたばっかりですし!」
「その必死さが怪しいのよ逆に!!」
びしぃっと指さされ、二人はうっ、と口ごもる。
お察しの姉鷺は、額に手を当て深くため息。
「全く…今日の放送も見た感じでは怪しい所もないし、なんでか相乗効果でお互いの印象がいい方に爆上がりだから許すとして、本っ当に気を付けなさいよ?」
ビシッと再度指さされ、二人は敬礼し頷くのであった。
「失礼します。遅くなりました!」
「万理さん!」
「お疲れ様、。スケジュール調整してたら遅くなっちゃいました」
「スケジュール調整?」
の言葉に、万理はタブレットを起動し、スケジュール表を出してに差し出す。
それに目を落としたは、最大級に首を傾げた。
「…黒字いっぱい…」
「右上の名前見てみて?」
スケジュール表の右上には「」の名前。
つまり、この真っ黒なスケジュールはの仕事のスケジュールという事である。
「うっそでしょ?!!」
「事実です。これでも方々に謝って削ったんだよ」
「まだドラマも放送してないのに…」
「すごいね、」
「うん、これは頑張るしかない…感じですね。あ、龍くんとの仕事も結構あるね」
「うん?ほんとだ。……大神さん、これ忙し過ぎませんか?俺たちが忙しかった時より細かく埋まってる気が…」
のスケジュールを後ろから覗き込み、龍之介が万理を見る。
日によっては分単位でスケジュールが組まれているうえ、長時間拘束の仕事の中に短時間の仕事が中挾で入っているところもあった。
未成年の為活動できる時間の制限があるため、夜は大体開いてはいるが、これではトイレすら行く時間もない。
「やっぱりそうだよね…。姉鷺さん、どこ削ればいいと思います?」
「私なら、単価の低い所やタレントが目立たない仕事は削る。特にTRIGGERは高級品だもの。安い仕事なんかさせない。スケジュール詰めすぎて疲れた顔で出て見なさいよ、次に繋がらないじゃない」
「なるほど…IDOLiSH7は身近なアイドルっていう売り出しだからもそういう感じにしたかったけど…高級品か」