君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第28章 28
「今日は程ほどでお願いします」
「努力する」
「ん…」
言葉と共に口付けられ、はくすくす笑いながら口付けを返す。
「さ、次の出番まで休憩しよ」
「はーい」
二人並んでソファに座り、スマホを手に取る。
「ラビッター、十龍之介って入ってるよ、トレンド」
「も入ってるよ。新人女優と、で」
「開くの怖すぎる…」
「そう?じゃあ俺が…『めちゃ可愛い』『CMだけで演技上手いの分かる』『トーク可愛い』『話し方可愛い』って、みんな好感触だよ」
スマホを操作しながら龍之介は呟く。
「確かに…龍くんの隣に立つから叩かれるの覚悟してたんだけど…」
「『TRIGGERの十龍之介と共演出来てIDOLiSH7の後輩って、前世どれだけ徳を積んだらなれるんだろう』ってのはある」
「特殊だね…叩かれてる感じではなさそうだけど」
ほっとしたように呟き、はスマホを閉じる。
「この評価をより良くするために頑張らないと」
「うん、そうだね。ちなみに俺は『朝から眼福』『こんなかわいい子の隣に立っててもエロい』『この二人めちゃくちゃお似合いなのでは?』『ちゃん逃げてー!』など」
「確かに、セクシーではあるけども。もう捕まってます…食べられて幸せです。大好きです。お似合いって言ってくれてありがとう」
龍之介のスマホを覗き込み呟くに、照れて頬を染める龍之介であった。
「はほんとに可愛いね」
「?龍くんの隣で幸せだからそう見えるだけかもよ?」
「もー、そういう事言ったらさー…さらに好きになっちゃうよ」
「もっと好きになって良いよ?」
きゅう、と抱き締めてくる龍之介に、は小さく笑いながら抱き着く。
「好きが止まらないんだけど」
「それは私も一緒」
「…」
名前を呼ばれれば、惹かれるように龍之介の膝に跨り口付ける。
「愛してる」
「俺も愛してる」
「今日も、いっぱい愛してね?」
「の望むままに」
微笑み頷いてもっとと口付けを強請った瞬間、のスマホが鳴る。
画面を見れば万理の名前。
「?もしもし」
『!ほんとに回線パンクした!!』
「へ?」
『さっきの放送直後から!事務所の電話鳴りっぱなしなんだよ!』