君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第3章 3
自分の言葉に慌てるに、龍之介がフォローを入れれば、嬉しいような照れ臭いような表情を交えながらもは微笑む。
そんなの笑みに、龍之介は思わず抱きしめたくなる衝動に駆られた。
すんでの所で理性をフル動員させ、何とか笑みを返すことが出来た自分を褒めたい気分になった。
「そういえば、今回のドラマって、明治時代の話なんだよね」
「そうですね。ということは…袴かなぁ…十さんは書生服とかですかね」
衣装室も近付き、自然とドラマの話になる。
二人とも歴史としての僅かな知識から衣装を想像しつつ、衣装室の扉を開く。
「……嘘…マジですか」
「わぁ…すごい…俺、軍服ですか」
「………………かっこよすぎる。似合いすぎる…!」
「さん?」
「十さんがですよ?これ着てみてくださいよ!世の女性みんな卒倒しますよ?!現に想像だけで私が卒倒しそうです!!気絶三秒前です!!」
「え?!気絶?!大丈夫!!?」
十さん、多分比喩表現です。と、慌てる龍之介に衣装が冷静に、しかし苦笑を浮かべつつ伝える。
そういうの衣装はどういうものだろうと目を向ければ、何着かの袴と洋装がトルソーにかけられていた。
「さんの衣装も可愛いね」
「袴着て見たかったので嬉しいです。ドレスも…裾踏まないか不安はありますけど」
龍之介の言葉にも答えるものの、視線は先程から龍之介と彼の着る衣装を行ったり来たりである。
余程お気に召したらしい。
「じゃあ、十さんこっちで、さんこっちで衣装合わせましょう」
スタイリストは二人。
それぞれが二人に着いてくれるらしい。
「さんは公式プロフィールからの衣装選びだけど、身長とかかわった?」
「あ、最近いろんなレッスンやらせていただいて、体重が少し減ってます。えーと、公式45キロだけど今43くらいです。あと、身長は1センチ伸びてます」
「身長は1センチなら大丈夫だと思うけど、2キロ痩せちゃってるとウェストとかも数字小さくなってるかもしれないね。測りなおして良い?」
「はい!」
スタイリストの言葉にこくりと頷き、は採寸される間、衝立を挟んだ先に居る龍之介たちの会話を耳にしていた。