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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第26章 26




だが、大和は思い出す。
は龍之介に恋心を抱いているようなことを言っていたな、と。

「…23…17…羨まし…いやいやそうとも限らんだろ落ち着け俺」
「?どうしたんだよ、大和さん」
「ん?ああ、いや、なんでも。まぁ、万理さんか、が帰ってきたら聞いてみようぜ」
「まぁ、そうだな。あ、が出る番組予約ちゃんとしてあっかな?確認して来る!」
「おう、頼んだ」

リビングへと向かう三月を見送り、大和は小さく息をつき唸る。

「十さん、だろうなぁ…」

そんな事を呟き、大和は何とも言えない気持ちで再度息をつくのであった。

・ ・ ・

「迎えに来させてごめんね、龍くん」
「俺が迎えに行きたいって言ったんだよ?むしろもっと甘えていいんだから」

後部座席に乗り込んだは、運転席でハンドルを捌く龍之介を見る。
ルームミラー越しに微笑む龍之介は、早朝なのに太陽のような爽やかな笑顔である。

「…今日もかっこいい」
「は今日も可愛い」

ぽつりと呟いた言葉は車内では案外響いたようで、するっと言葉を返され、はうっかり照れてしまう。
照れ臭そうに笑っていれば、コーヒー店の紙袋を龍之介が持ち上げた。

「甘いのと甘くないの、どっちがいい?」
「え?ありがとう!甘いのがいい…良い?」
「ん。じゃあこっちかな?間違ってたらごめんね」

呟きながら紙袋からカップを取り出し、に差し出す。

「時間より早く出て寄ってくれたの?」
「うん。今日一日と一緒って思ったらテンション上がっちゃって…」
「龍くん…大好きっ」
「俺も大好き。あ、まだちょっと熱いから、気を付けるんだよ」
「はぁい」

コーヒーを飲みながら軽く会話を交わしつつ、テレビ局へと到着。
守衛のいるゲートへと入る。

「おはようございます。パスの確認お願いします」
「あ、はい」
「後部座席の方は…」
「共演者のさんです。通りすがりに拾ってきました」
「拾われました!これ、パスです」

くすくす笑いながらパスを見せ、OKを貰って駐車場へと入る。
車を止めれば揃って車を降りて控室へ。

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