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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第231章 231




龍之介の言葉に嬉しそうに笑い、は彼の頬に手を伸ばす。
その手を取られ、何度か手のひらに口付けられれば、視線が絡まりそっと唇が触れ合う。

「愛してる」
「私も愛してる」

もう一度口付けを交わし、龍之介はの頭をそっと撫でた。

「行こっか」
「うん!」

車を発進させスタジオを出れば、は緊張が解けたのか小さく欠伸をした。

「眠い?」
「ううん、リラックスしてるだけだよ」
「うん、なら良かった」

ハンドルを捌きながらそっと頭を撫でてくれる龍之介に嬉しそうに微笑み、は車窓に流れる景色を見る。
だが、龍之介を見上げ軽く首を傾げた。

「龍くん、明後日忙しい?」
「明後日は…特に何もなかったと思うよ」
「新曲のレコーディングがあるんだけど、一緒に来て欲しいんだ。アドバイス貰いたい」

そんなの言葉に良いよ、と返事をした後に軽く首を傾げる。

「でも、俺なんかのアドバイスより天の方が良いんじゃないかな?」
「うーんとね、普段ならそうかもしれないんだけど…今回ちょっとセクシーよりな曲なの」

更に、とは続ける。

「好きな人を誘惑する曲なの」
「好きな人…誘惑…」
「あと、私的ウィスパーボイス超絶色っぽランキング1位の龍くんのアドバイスが欲しいの」
「誘惑…ん?え、そ、そうかな?そんなに色っぽいかは…でも、うん。俺も聞きたいから、一緒に行きたい」
「やったー!ありがとう!…誘惑、今していい?」
「凄くしてほしいけど…今運転中だから少し我慢して?」

もうすぐ目的地には到着する。
けれど車はまだ走行中だ。
だよね、とはくすくす笑い頷いた。

「そういえば、ブラホワの方はどう?」
「ん?段々バタバタしてきてるなぁって感じかな。私もダンサーさん達との合わせがあるし」
「もうそんな時期なんだね」
「うん。授賞式のフィッティングもあるし、他にも打ち合わせとか色々。これを毎年龍くん達はこなしてるんだよねぇ」

呟きながらほんとすごいよ、と頷くに龍之介は小さく笑う。
今年はライブこそあれ、ゆっくりとしている。
思えばこの2年、ゆっくりとした時間など、と過ごすくらいでしか過ごしていなかったなと思いだす。

「休めるときは少しでも休まないとね」

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