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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第230章 230




「うん、ありがと。終わりの時間目途ついたらラビチャするね」
『うん。愛してる』
「私も愛してる。またね」

電話を切り、ちらりと万理を見る。

「デート?」
「です。あんまり遅くまでは無理だけど…」
「明日も早いからね」
「今日と同じ時間ですもんね。私は短い睡眠でも平気ですけど…あ、万理さん今の内に寝たらどうですか?」
「膝枕してくれる?」
「龍くんに怒られるからしません」
「十くんに怒られないならしてくれるんだ」

くすくす笑いながら首を傾げる万理に、は頷く。

「そりゃそうですよ。万理さんは私が何の心配もなく信頼できる人なんですから」
「……俺が簡単に手を出さない様に釘刺した?」
「……かもしれません」

万理が簡単に危険を冒すような男ではないことはわかっている。
からそう信頼されているのなら、万理はそれに応えなければならない。
それが信頼関係だ。
けれど、時々、それをぶち壊したくなる。
そんな魅力を、目の前の少女は多大に持っている。

「魔性ね」
「うぇ?」
「がもう少し年齢を重ねて言ったら、そう呼ばれるようになるんだろうね。今はまだ、小悪魔だけど」
「天使だったり小悪魔だったり魔性だったり…私はいつ人間に戻れるんですか」
「この世界にいる限りは無理なんじゃない?」
「そうかぁ…じゃあ、私が人間に戻るのは死ぬときですね」

くすくす笑いながら、生涯現役目指してますから、と豪語するの瞳はきらきらと輝いていて美しい。
信頼を壊したくなる時もあれど、この美しい瞳を持つ愛らしい少女を永遠に守りたいとも思う。

「俺も生涯現役かぁ」
「私の事が嫌になったら、離れて良いです。でも、それまでは傍に居てください」
「逆プロポーズありがとう。大丈夫、がでいる限り俺は傍に居るから」

プロポーズの言葉に再度笑い出すの頭をそっと撫で、万理もまた柔らかな笑みを溢すのだった。

「はい、お疲れ様ー!さん。明日も早いけどよろしくね」
「はい!明日も頑張ります。次があるので、お先失礼します」
「働くねぇ、お疲れ様!」

夕方、予定されていた全ての撮影を終え、はダッシュで楽屋へと戻り着替え始める。

「ふ…まさかこんな早く終わると思わなかったから超油断してた…」
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