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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第227章 227




1曲分しか映像がない故にあっという間に動画は終わってしまった。
それでもは満足げである。

「っはー、かっこよかったぁ…いいなぁ、私も行きたいなぁ」

の今の立場で、客同士の距離が近いライブハウスでの鑑賞は色々とクリアしなければならない問題がある。
万が一の身に何かが起きてしまったら。
ファンとのトラブルが起きてしまったら。
がいることで、出待ちがさらに増えることになったら。
単純に思いつくだけでもこうなのだ。
実際にが赴いたら更なる問題点が出てしまうかもしれない。
それをもわかっているから、我慢してるのである。
でも行きたい。
それも本心故に、龍之介たちには隠さず伝えてはいるが。

「大神さんのOK出ると思う?」
「難しいでしょ。大神さん始め小鳥遊事務所は総出で過保護だから」
「だよなぁ…」
「ん?何の話?」
「がライブ来てくれたら嬉しいなって話」

龍之介の答えにはそっかぁ、と頷き小さく微笑む。

「行けないのは分かってるんだけどね。みんなが歌って踊って、ファンの子たちが喜んでる中に入れてもらって、一緒に応援したいんだぁ」
「俺、大神さんにお願いしてみる」
「龍くん…」
「でも、危ない目には遭わせられない。だから、最初は舞台袖から様子見て、大丈夫そうだったらフロア行こう」
「大神さんにボディガードしてもらったらいいんじゃない?心配なら守って貰おう」
「う…でもライブハウスって席無いから密着度高いよ…?」
「ヤキモチがあからさまだな、おい」

龍之介の言葉に楽が苦笑し、は龍之介を見上げて抱き付く。
腕の中でにぱりと微笑むは何とも可愛い。

「密着ー。あ、密着と言えばさ、今度ドキュメンタリー番組のスタッフが密着取材するって」
「え?!家とか来る?」

の部屋には龍之介の痕跡がこれでもかと残っている。
歯ブラシだって2本、スキンケア用品も男女2人分、ベッドには龍之介の寝間着が置かれ、キッチンにはペアの食器が揃い、シャンプーも2種類、男物の服が何着もある。
あからさまなの部屋に取材班が入れば、に恋人がいることが一目瞭然でバレる。
が、その心配はないとは微笑む。

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