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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第224章 224




『そういうわけじゃないけど…』
「そっちは?」
『俺たちも早くに会いたいって思ってるよ、天も、楽も』
「どんだけ甘やかしたいんだよ」
「いすみーーん!代わってー!お願いお願い!休み時間終わっちゃう!」
「……だってよ」
『あはは、聞こえた。ありがとう悠くん、代わって貰える?』
「ほらよ」

スマホを返せば眩しいほどの笑顔。
これが自分に向けられたものなのか、それとも通話の向こうの龍之介に向けてなのか。
出来うるならば自らに向けて欲しいと思ってしまうのは、が無意識に仕掛ける罠にかかってしまったからかもしれない。

「ありがとっ!龍くん、ライブ頑張ってね。愛してる」
『ありがとう。頑張ってくる。も頑張って、愛してる』
「明後日…ご飯作って待ってるって、天と楽にも伝えてね」
『うん、楽しみにしてるよ』
「あ、チャイムなっちゃった…じゃあ、またね」
『うん、また夜に』

通話終了のボタンを押し、はそのまままた机に突っ伏す。

「私もライブ行きたいーーー」
「ほんっと好きだな、TRIGGER」
「ZOOLも好きだよ。曲は」
「曲かよ!」
「さて、授業始まるよー」

戻った戻った、と自らの席へと促され、悠は席につく。
環と一織、他のクラスメイトも着席したところで担当教諭が教室へと入って来た。

「、帰んなくていいのか?」
「今日はオフなんで最後までいまーす」
「帰り、また補講用のプリント持ってけよー」
「………はぁい」

過去のプリントの量の多さを思い出し、はがっくりと項垂れながら頷き返事をする。
そのまま授業を終え、は職員室へと顔を出した。

「失礼します。補講分のプリント頂きに参りましたー」
「、お疲れさん。今回の補講分これな。このまま冬休み突入しそうだから、全部入れといたぞ」

ぼん、と置かれたプリントの束。もう束というよりは一山である。
紙袋を拡げながら思わず顔が引くついてしまう。

「殺人的な量…」
「なんだかんだちゃんと出来てるじゃないか。出席日数はぎりぎりだが…この成績なら大学も行けるぞ?」
「大学行ったらまた勉強大変じゃないですかぁ…仕事が出来る内はそっち優先したいです」
「勿体ない。推薦でもいいとこ入れるぞ?」

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