君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第224章 224
「んー…入りましたー、忙しくて中退しますーは嫌なんで。しっかり入学してしっかり卒業できる見込みが出来たら挑戦します」
そんな日来るかぁ?と担任に首を傾げられ、どうですかねぇ?ともまた首を傾げる。
「どんなタイミングでどう落とされるか分からないですからねー」
「……そうだな」
「今TRIGGER思い浮かべてません?」
トップから一気に落とされ、人気はあれどテレビに出られない日々を過ごしている彼らは、担任にとっても思い浮かべやすい存在に違いない。
それもまた不服だが、それが世間故に担任に当たる気はさらさらない。
「にはしんどかったろ」
「そりゃもう。記者にも追い掛け回されましたし、圧力すごいし、何か言おうもんなら局の上層部からきつーいお叱りが…私はありませんでしたけど」
「無かったんかい」
あっけらかんと答えるにうっかり突っ込んでしまう担任である。
「もしお前がそんな事になって大学行くってなったら、俺が力になるからな」
「ありがとうございます。そんな情けない進学にならないように頑張ります」
くすくす笑いながら再度礼を述べて一礼し重い紙袋を持ち上げて職員室を出る。
「ん」
「っ、あ、ありがとう環」
「おっも!今日もたいりょーじゃん」
「三学期入るまでの分全部入れたって言ってたー」
職員室を出るなり、環が紙袋を持ち上げて驚きの声を上げる。
「待っててくれたの?先帰ってて良かったのに」
「今日バンちゃん忙しいから一人で帰るんだろ?あぶねぇじゃん」
「事務所からはタクシーで帰るつもりだったけど…ありがと。嬉しい」
「リュウ兄貴から聞いてるよ。まだ1人怖ぇんだろ?」
環の言葉には苦笑し頷く。
龍之介もまた、まだを1人にすることに抵抗があるようで、信頼できる数人にはの事を話して頼りにしている様だ。
「ありがと、環」
「おう、気にすんな。まず事務所?」
「うん」
「うし、行くぞー」
にかっと笑いのカバンまで持とうとするところを全力で断り、2人は肩を並べて帰路につくのであった。