君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第222章 222
「天と楽が喧嘩してたとこまでは覚えてるけど…」
そんな龍之介の言葉に、だったら、と姉鷺はスマホを取り出し操作して3人に見せる。
昨夜の打ち上げの様子が動画で撮られていた。
「ホントに正座させられてる…」
「何でまで正座してるんですか?」
「龍が正座させられてたからみたいよ」
「にそんなことさせてたなんて…」
「いや待て、の足元にだけクッション置いてあるぞ」
「しかもよく見たら正座じゃない。足崩してる」
「全員からのフォローによってこうなってたわね」
3人が正座させられている中で、TRIGGERの責は私にも…!とが同じように正座しようとしたところにクッションが差し出され、丸みを帯びたクッションの上で正座は危ないだろうと足を崩すよう周りから言葉が飛んだ末のこの体勢なのだそうだ。
全員、甘々が過ぎる。
が、次に流れた動画に龍之介は目を見開いた。
「…………」
「龍?」
「だから俺、にあんなに痕付けたのかな…」
その言葉に、全員が動画に目を向ける。
そこには、何やら楽し気なと万理の姿。
時折、万理がの髪を耳にかけ、そして耳打ちする様子が映されていた。
「会場の音大きかったからこれは仕方ないでしょ」
「大神くんはのマネージャーなんだからこれくらい許容しなさいよ」
「でも、大神さん、明らかにのこと好きだよな」
「楽!」
楽の言葉を諫めるように姉鷺が彼を呼べば、やっぱりとでもいうように龍之介は肩を落とす。
『さんに恋の話はないの?』
『私ですか?私は…TRIGGERに恋しちゃってるので』
『TRIGGERの?』
『TRIGGERの?箱推しです。憧れてるだけで充分幸せなんですよ?ファンなので』
テレビの中では、がそう言ってにこりと微笑む。
『またまたー!十くん大好きなんでしょ?』
『わー!バレちゃった!あはは!TRIGGER箱推しの、十さん最推しです!特にダンスが本当に憧れで、私のデビュー曲の振り付けは十さんの振りなんですけど、デビュー曲というのも相まって、本当に大切な曲です』
『そんなさんは年明けにアルバムを出されるそうで』
『はい!その宣伝にお邪魔しております!』