君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第220章 220
隣に立つ龍之介を見上げ、は千へと視線を移す。
千はを見て、そして龍之介へと一歩歩み寄り、その手を取る。
「龍之介くん」
「はいっ!」
「もっとちゃんをでろでろに甘やかして、もっと愛して」
「どんなだよ」
「はい!勿論です!」
「答えちゃうからなぁ、十くん」
「君が、ちゃんの才能を引き出すんだ」
「引き出せるかはわかりませんが…を愛することだけはやめません」
「龍くん…」
万理のツッコミも何のその。
を見つめ、にこりと微笑んでから千に視線を戻し頷く。
それはそれで妬けるけど、と呟いて千は腕を組んで軽く首を傾げる。
「お姫様のライブも大盛況だったし、宴に戻ろうか」
「いえーい!」
「、何か飲む?」
「うん!の前に、着替えてくる」
流石に衣装を汚すわけにはいかないと、はスカートを軽く上げながら笑う。
「着替え、手伝う?」
「お願いしちゃう。でもその前に、モモさんとこお礼言ってくるね」
微笑むに笑みを返し見送り、龍之介は持っていたグラスを空にする。
「モモさん!」
「ちゃん!大成功だったね!イエーイ!」
「ありがとうございます!モモさんの協力のおかげです。大先輩なのに、裏方みたいなことさせちゃってすみませんでした」
「いーのいーの!チャン初ライブのお手伝いできて嬉しいよ!」
よく頑張ったね、と頭をぽふりと撫でられ、は嬉しそうに微笑む。
再度礼を伝え、龍之介の元へ戻れば、すかさず腰を抱かれた。
「あ、龍くんお酒進んでるでしょ」
「にはすぐバレちゃうなぁ…」
「今日はお祝いだから特別に許しちゃうっ!さ、着替え行こ?」
「うん、そうだね」
の背を撫でながら龍之介は着替え用のロッカーまでエスコートである。
「チャック下ろすよ?」
「はーい。…ん、ふふ…ダーメってば」
衣装のファスナーを下ろし、見える背中に口付ければ柔らかい笑いがこぼれる。
くるりとが振り向けば、そっと龍之介の首に腕を回し口付けた。
「ダメ?」
「だーめ、帰ったら。ね?」
「残念。大人しく着替え手伝うね」