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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第219章 219




呟きながらはナギの手を取り、そして微笑んで彼を見上げる。

「私も、ナギくんが大好き。失いたくない人の1人」
「…」
「難しい問題がたくさんあるよね。だから、ナギくんに今選択をさせるのは酷だし難しいと思う。だけど、1人で抱え込まないで欲しい。私に解決できることは多分一つもない。だけど、みんなでなら、IDOLiSH7のメンバーと私たちなら、何かを変えることは出来るって、そう思うよ」
「……みんなと、なら…」

ナギの呟きには頷き、再度口を開く。

「行ってみたいな、ノースメイア。ナギくんみたいな優しくて心が美しい人を育てた国を見てみたい」
「ならきっと、気に入ると思います。けれど、だけは連れていけません」
「えー?なんでさ」
「ワタシが、貴女を帰したくなくなってしまうから」

そっと手を取り、そっと握られ、手の甲に口付けるナギを見る。
開いた瞳はをじっと見、美しい少女を見つめるその瞳も美しかった。

「父上が、日本の女性を妻にと望んだ気持ちがわかります」
「?」
「ワタシも、望めるのならば貴女を…」
「ナギくん。ごめん、それは無理だ」

ナギの言葉が続きを紡ぐことを躊躇したところで、は小さく首を振り微笑む。

「貴女には、十氏しかいないのですね」
「うん。きっとナギくんの奥さんになる人はとっても幸せな人生を過ごせると思う。だけど、それは私じゃない」

そっとの手を離し、そうですね、とナギは頷く。
同時に、龍之介に視線を移し小さく息をついた。

「彼は名誉を失って、今は地位もない。ですが…貴女が居る。それだけで、一国の主となる栄誉よりなにより十氏が羨ましいです」
「私は何を失っても…龍くんの傍に居られるならそれでいいって、思うよ。失いたくない人は沢山いるけどね」

欲張りなんだ、私。
そう言って微笑むはやはり美しい。

「ありがとうございます、」
「どういたしまして。溜め込んじゃダメだよ。1人で抱え込まないで」
「YES。肝に銘じます」

Thank you、そう微笑みナギは皆の輪に戻っていく。
入れ違いに龍之介が歩み寄って来れば、はそっとその胸に寄り添った。

「お悩み相談?」

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