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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第219章 219




「そんな感じ。今のナギくんに必要なのは私じゃなくてみんなだから、それを伝えられてると良いな。あとはナギくんがどう感じるかだけど…」
「そっか。ナギくんが良い選択をできると良いね。さて、お腹空いてるでしょ?何か食べよう」
「うん!」

龍之介の差し出す手を取り、繋ぐ。
伝わる温もりが何よりも愛おしく、この温もりを感じるためならば、どんなことでもできると改めて感じる。

「…ホントの王女になり損ねた」
「え?」
「ふふ、何でもない。私は女王にも王女にもならなくていい。龍くんの傍に居られるだけで何よりも幸せで、なんにでもなれるって実感した」
「うん、どんな女王様よりお姫様より、俺はを幸せにしたい」
「充分幸せだけど…それでもそう思ってくれる龍くんがいてくれるのが嬉しい」

すりすりと腕にすり寄るの頭を撫で、龍之介はそっと微笑む。
食事の並ぶテーブルには皆が集まり、楽しそうに歓談していた。

「ちゃん、肉派?魚派?」
「どちらかと言えば魚派です」
「お、じゃあこっちおすすめ!アクアパッツァ!」
「美味しそうー!ありがとうございます、モモさん」

美味しい食事に舌鼓を打ち、大人組がほろ酔いになった所で龍之介はふとの姿が無いことに気付いた。

「あれ、…」

瞬間、室内の照明が落とされ、プロジェクターが起動した。
皆がスクリーンに視線を向け、目を見開く。

「…僕達だ」

そこに映し出されたのは、TRIGGERの姿。
ライブの映像、MVの映像、これまでのTRIGGERの軌跡と呼んでいいその映像に皆の視線はくぎ付けである。

『にぃにぃ!優勝おめでとう!』
「蒼太…航、瑚太…!」
『天兄ちゃん、優勝おめでとう!』
『天、おめでとう』
「理…九条さんまで…」
『楽、よくやった』
「親父…ったく、うるせぇよ」

沢山の関係者やファンからの祝いの言葉に、TRIGGER3人の表情も綻ぶ。
様々なメッセージが流れ、そして、の姿が映し出された。

「…」

自室のソファの前に座り、カメラを調節しているはそれだけで可愛い。
やがてカメラの位置が定まったのか、にこりと微笑み口を開いた。

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