君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第218章 218
耐えきれずハンカチで鼻をかむ姉鷺に笑みを向ければ、龍之介はの傍に駆け寄る。
「!」
「おめでとう!信じてた。本当に、おめでとう!」
「ありがとう。…本当にありがとう」
涙ぐむの目元を撫でる龍之介も、また瞳に涙を浮かべている。
そんな龍之介が愛しくて仕方ない様子で、もまた龍之介の目元を親指でそっと拭い、頬を撫でる。
「来年は、私が勝つから」
「…あはは!うん、一緒に戦おう。」
「なぁに?」
「愛してる。信じててくれて、一緒にいてくれて、ありがとう」
「TRIGGERを、龍くんを、愛してる。絶対に立ち止まらなかった皆を誇りに思う。ありがとう、信じさせてくれて。一緒にいてくれて…これからも、傍に居させてね」
「永遠に」
微笑み、の額に口付ければ、鼻、頬にも唇を落とす。
が龍之介の頬に口付ければ、そのまま唇が合わさった。
龍之介の腕がの背中と腰に周り、の腕が龍之介の背中と首に回れば、角度を変え何度も口付け合う。
「勝利のキス」
「はTRIGGERの勝利の女神だったか」
「…正直、がいなくてもここまで来ることは出来たと思う」
「天、何言って…」
「だってそうでしょ?僕たちは最高で最強。だけど…勝てたのはがいたからだって、そう信じてる」
ただ傍に居ただけじゃない。ただ信じてくれていただけじゃない。
TRIGGERへの批判が高まった時に、は自分の立場が危うくなる可能性も顧みずにTRIGGERへの愛を叫び、応援し続けることを公言し、TRIGGERのファンを鼓舞した。
どんなことがあってもが笑っていたから、TRIGGERは大丈夫だと暗に示している様にファンには映った。
TRIGGERがテレビに映らなくても、TRIGGER狂い女優と名高いが映れば、を通してTRIGGERが見えるような気にさせていた。
例え細い糸だとしても、TRIGGERが姿を見せなくなった間、がファンとTRIGGERを繋いでいた。
「僕たちとファンが繋がっていられた懸け橋の一つは絶対に。他の誰も信じなくても、僕はそう信じてる」