• テキストサイズ

君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第218章 218




『優勝者は…TRIGGER!!!』

司会者の声とともに紙吹雪が舞い、観客席から歓声が上がる。

「…っやった…やった!!TRIGGER…姉鷺さん!やりました!!」
「当然よ、TRIGGERだもの…っ。あの子達が、負けるわけ…ないのよ…っ」

TRIGGERの名が聞こえた瞬間、は飛び跳ね姉鷺の腕に抱き着く。
姉鷺は平静を装っているが、その瞳には涙が溜まっていた。

「やった!天!楽!」
「よっしゃあ!!信じてたぜお前ら!」
「うん、うん…!ありがとう、楽、龍!君たちと居られて本当に良かった」

肩を組み合い、満面の笑みで優勝を喜ぶ3人に、は口元を両手で多い涙を流す。
この姿が、あの笑顔が、ずっと見たかったのだ。

「おめでとう!TRIGGER!」
「負けてすっげぇ悔しいけど、やっぱTRIGGERすげぇよ!」
「おめでとうございます!」
「コングラッチュレーション」

戦いには負けてしまった。
けれど、全力を尽くしたIDOLiSH7のメンバーも、悔しさはあるだろうがそれでもTRIGGERの優勝を祝う。
自分たちではない人たちの勝利を、幸せを喜べる彼らも、には誇りだ。
かけがえのない人たちがひとつのステージで全力を尽くした。
こんな素晴らしいステージを傍で見守れたことが素直に嬉しい。

でも

「おめでとう、TRIGGER。ありがとう、IDOLiSH7。万理さん」
「ん?」
「…やっぱり、私出たかった。みんなみたいに、全力で…歌って踊りたかった」
「…うん。来年こそは必ず。でも、君も戦わないといけない場所があるよ」
「ブラホワですね。女性シンガー部門、必ず優勝します!」
「頑張れ。全力でサポートするよ」

微笑み合いグータッチを交わすと万理。
ステージでは、続いて授賞式が行われていた。
トロフィーを手にした天と、龍之介と楽で肩を組む。
もまた、舞台袖から心からの拍手を贈った。
鳴りやまない観客席からの歓声と拍手に応えながら、出場者たちが舞台袖に戻ってくる。

「よくやったわ。さすがよ、あんたたち」
「ありがとうございます!」
「姉鷺さんが一緒にいてくれたからこそです」
「サンキューな、姉鷺」
「泣かせないでちょうだいっ!」
「もう泣いてんじゃん」

/ 1123ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp