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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第216章 216




「龍くん…好き…愛してる」
「俺も。が好きで、愛してる。優勝が決まったら、こっちね」

ツ、と唇を撫でられ、は真っ赤な頬のまま龍之介を再度見上げる。

「ちょっとちょっとー?TRIGGERが優勝するって決まってないですけどー?」
「あ!ごめん。でも、俺たちは優勝するためにここに来たから」
「負けらんねぇよ」
「TRIGGERが優勝するよ。ファンに、世間に、僕たちは終わってないって証明する」
「かっっっこいいーー!!やっぱTRIGGERは最高!」
「お前そろそろ自分の事務所応援しろ?!」

三月のツッコミに笑っていれば、舞台袖に来て欲しいと声がかかる。
皆で連れたって舞台袖に向かえば、それぞれのグループで輪になった。

「」
「万理さん」
「どっちも、すごい気合いだね」
「…はい。でも…」

呟くの視線は、ナギに向けられていた。
数日前から、ナギの様子がおかしい。
顕著に何かがあるわけでは無い。
けれど、何かがおかしい。

「…は鋭いなぁ」
「?」
「それでも、今は俺たちも全力で応援しよう。どちらが勝ってもおかしくないこの戦いを」
「はい!」

出番はまずIDOLiSH7から。
7人がステージに上がれば、割れんばかりの歓声が上がる。

「…頑張れ、みんな」

いつも兄のように、古くからの友人のようにを支えてくれる彼らを、は家族のように大切に思っている。
彼らが負けるなんて思わない。負けて欲しくない。
TRIGGERに負けないくらいのパフォーマンスで、全力でぶつかって欲しい。

「……綺麗。みんなキラキラしてる」

7人の歌声が輝いている。
けれど、はやはりナギの姿が引っかかった。
いつもと変わらないダンス、いつもと変わらない歌声。
けれど何かが違う。
迷い、葛藤、その中に何かを決めたような覚悟。
そんな物が見え隠れしている様だった。

「ナギくん…どうして…」
「…何か重いものを抱えながら、それでもステージに立って、歌って、踊ってる。そんな彼を、俺は誇りに思う」
「はい。私も誇らしいです。あんな素敵なグループが先輩でいてくれることが」

の言葉に万理は微笑み、ぽふりと頭を撫でる。

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