君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第215章 215
心の底から寒気を覚えた月雲は、ポケットからスマホを取り出し、やっと部下へ引き上げるよう連絡を入れた。
「お前たちは絶対許さないからな!!TRIGGERもも!お前たちの家族も全部めちゃくちゃにしてやる!お前たちの力は僕に及ばない。絶望の底で恐怖におびえてればいい!」
「絶望するのも、恐怖に震えるのもお前の方だ。地獄に落ちろ、月雲了。俺の大事な人たちに、愛するに手を出したら…お前を絶対に許さない」
「私の大切な人たちは、絶対に私が守る。あんたの力が及ばない高みまで、TRIGGERも私も登っていく。精々、地獄の底から見上げて羨んでなさいよ」
その場に立ち尽くす月雲を一瞥し、龍之介はを見て微笑む。
「行こう、」
「うん。行こ、龍くん」
先程までの冷酷な瞳はどこへやら、いつもの愛くるしい笑みに戻ったは龍之介の腕にすり寄る。
が、すぐにスマホを取り出し電話を掛けた。
「百さん…百さん!大丈夫ですか?!」
『ちゃ…ん、うん、大丈夫…ちょっとやばかったけど』
「良かった…」
『龍とちゃんが…了さん、に…』
「ちょっとお願いしただけです。傍に誰かいますか?」
『僕がいるよ、ちゃん』
「千さん…」
『オカリンもいるから、大丈夫。ちゃん、龍之介くんに代わって』
千の言葉に、は龍之介へとスマホを手渡す。
「龍之介です」
『二人は無事?』
「はい、一応。…、あの事話した方が良い?」
「…わからない。でも、話すならMOPの後が良い」
いくらRe:valeが出場しないとはいえ、余計な混乱は今は必要ない。
今起きている事だけで十分だ。
そんなの判断に、龍之介は頷き千に伝える。
千も何かを感じ取ったようだが、と龍之介の判断を尊重してくれたようで、わかった、とだけ答えてひとまず通話を終える。
「」
「ん?」
「怒鳴ってごめん。怖かった?」
「え?全然。むしろカッコ良すぎてにやけ抑えるの必死だった」
あの場面でにやけたらにやけたで、月雲にとっては相当に不気味に映ったろうが、あの時は不気味さではなく恐怖を植え付けたかった。